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実数の閉部分群のLaTeXML自動変換版です。自動検査には合格していますが、元PDFとの目視比較は未実施です。正本はPDF・TeXです。

実直線の閉部分群の分類

電波通信
HTML変換日:2026年7月26日

この文書では集合Aの集積点全体をAdで表し、Aの孤立点全体をAsで表す。CL⁢(A)=As∪Adが成り立つことは位相空間論の初歩であろう。

この文書では実数の部分集合しか出てこないので集積点、孤立点の定義をその限られた状況下で改めて述べておくと便利であろう。

A⊂ℝについて、x∈ℝがAの集積点であるとは、任意のε>0に対してあるa∈Aが存在してa∈(x−ε,x+ε)かつa≠xを充たすことである。

またx∈ℝがAの孤立点であるとはあるε>0が存在して(x−ε,x+ε)∩A={x}を充たすこと。

定義から明らかにAs⊂Aとなることに注意せよ。

また以下の文章ではB⁢(a,ε)={x∈ℝ||a−x|<ε}=(a−ε,a+ε)である。

補題 1.

実数δ>0についてAδ={n⁢δ|n∈ℤ}と定義する。このとき0<δ<εとなるεと任意のx∈ℝに対して

B⁢(x,ε)∩Aδ≠Ø

が成立する。

証明.

まず

ℝ=⋃n∈ℤ[n⁢δ,(n+1)⁢δ]

が成り立つことに注意しよう(なぜ成り立つか?)。このときx∈[k⁢δ,(k+1)⁢δ]となるk∈ℤが存在する。そしてこのとき

0≤x−k⁢δ≤(k+1)⁢δ−k⁢δ=δ<ε

なのでk⁢δ∈B⁢(x,ε)である。k⁢δ∈Aδなので

B⁢(x,ε)∩Aδ≠Ø

がわかる。 ∎

補題 2.

ℝの部分群GについてGd≠Øならば0∈Gdである。

証明.

a∈Gdとすると任意のε>0に対してs,t∈Gが存在してs≠tかつ|a−s|<ε2,|a−t|<ε2 を充たす。

するとGが加法群であることからs−t∈Gでありs−t≠0及び|(s−t)−0|=|s−t|<εとなる。ε>0は任意であったので0はGの集積点であることが分かる。 ∎

命題 3.

ℝの部分群GについてGd≠ØならばGはℝで稠密である。

証明.

先の補題2より0∈Gdであるから任意のε>0に対してδ≠0かつ|δ−0|<εとなるδ∈Gが存在する。Gはℝの部分加法群なので適当に符合を変えてδ>0としてもよい。すると0<δ<εである。

さて補題1からAδ={n⁢δ|n∈ℤ}とすると任意のx∈ℝに対して

B⁢(x,ε)∩Aδ≠Ø

であるが、Gが加法群であることからAδ⊂Gとなり、結局

B⁢(x,ε)∩G≠Ø

が成立し、ε>0とx∈ℝは任意であったからGはℝで稠密であることが分かる。 ∎

命題 4.

ℝの部分群GについてGd=Øならば、あるh∈ℝを用いてG=h⁢ℤと書ける。

証明.

CL⁢(G)=Gs∪Gdであるが、今Gd=Øであり、Gs⊂GなのでCL⁢(G)=Gとなる。つまりGはℝの閉部分群となる。

Gの点はすべて孤立点なので十分小さいε>0をとれば

B⁢(0,ε)∩G={0}

である。

case1:[ε,∞)∩G=Øのとき; このときG={0}=0⁢ℤである。(なぜか?)

case 2;[ε,∞)∩G≠Øのとき; このとき実数の公理から

h:=inf[ε,∞)∩G

が存在するが、Gが閉であることからh∈Gとなる。以下G=h⁢ℤとなることを示そう。

x∈Gとし、x≠0とする。適当に符合を変えてx>0としても一般性を失わない。B⁢(0,ε)∩G={0}なので

x∈[ε,∞)∩G

である。つまりh≤xである。ここでn∈ℤをh⁢n≤xとなる最大の整数とする。(このような整数は確かに存在する。なぜか?)するとx−h⁢n≥0であり

x−h⁢n∈G

である。もしここでx−h⁢n≠0ならばx−h⁢n∈[ε,∞)∩Gである。よってh≤x−h⁢nつまりh⁢(n+1)≤xとなるが、これはnの最大性に反する。従ってx−h⁢n=0つまりx=h⁢nである。x∈Gは任意であったので結局G=h⁢ℤが示された。 ∎

定理 5.

ℝの閉部分群は

ℝ,h⁢ℤ⁢(h>0), 0

の形のものしかない。

証明.

Gをℝの閉部分群とする。

case1:Gd≠Øのとき; 命題3よりGはℝの稠密集合となるが、Gは閉なのでG=ℝである。

case2:Gd=Øのとき; 命題4からGはh∈ℝを用いてG=h⁢ℤと書ける。h=0の場合がG={0}であり、それ以外の場合にはG=h⁢ℤ⁢(h>0)と書けることは明らかである。 ∎

系 6 (クロネッカーの稠密性定理).

無理数d∈ℝについて集合{n+m⁢d|n,m∈ℤ}はℝで稠密である

証明.

G={n+m⁢d|n,m∈ℤ}と置くとGはℝの部分群である。もしGが稠密でないとしたら命題3の対偶からGd=Øなので命題4からG=h⁢ℤ⁢(h>0)と書ける。1∈Gなのでh⁢a=1となるa∈ℤが存在するのでhは有理数である。しかしd∈Gであり、h⁢b=dとなるb∈ℤが存在するのでhは無理数になる。これは矛盾であるからGはℝの稠密集合である。 ∎