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有限次元ベクトル空間のノルムは全部同値のLaTeXML自動変換版です。自動検査には合格していますが、元PDFとの目視比較は未実施です。正本はPDF・TeXです。

有限次元ノルム空間

ナンブキトラ
HTML変換日:2026年7月26日
定義 1 (ノルム).

線形空間Xからℝへの写像 n:X→ℝがノルムであるとは任意のx,y∈X,a∈ℝに対して

(1) n⁢(x)≥0
(2) n⁢(x)=0⇔x=0
(3) n⁢(a⁢x)=|a|⁢n⁢(x)
(4) n⁢(x+y)≤n⁢(x)+n⁢(y)

を充たすこと。

例 2 (p-ノルム).

実数p∈[1,+∞)についてN次元ユークリッド空間ℝN上のp-ノルム∥∙∥pを

∥x∥p=(∑i=1N|xi|p)1p

と定義すると、これはℝN上のノルムになっている。ただしxiはxの標準的な基底での第i成分である。ノルムであることの証明は略する。手頃な本を開けば載っていると思う。

注意.

2-ノルムは通常のユークリッドノルムであり、位相空間としての(ℝN,∥∙∥2)は通常のユークリッド位相空間である。

例 3 (∞-ノルム).

N次元ユークリッド空間ℝN上の∞-ノルムを

∥x∥∞=maxi⁡|xi|

と定義するとこれはℝN上のノルムとなっている。ここでiは1,2,⋯⁢Nの範囲を動き、xiはxの標準的な基底での第i成分である。

定義 4.

線型空間X上の2つのノルムn1,n2 が同値であるとはある正の実数A.B>0が存在して

∀x∈X⁢A⁢n1⁢(x)≤n2⁢(x)≤B⁢n1⁢(x)

となることである。

注意.

n1,n2が同値であると言う関係を n1∼n2で書くと∼は同値関係になっている。確かめるのは容易いことである。
また、X上の2つのノルムn1,n2が同値であるとき、その2つのノルムが定める位相は同じ位相となる。

例 5.

任意のp∈[1,+∞)に対してp-ノルムと∞-ノルムは同値となる。実際

|xi|≤∥x∥∞

より

∥x∥p≤(∑i=1N∥x∥∞p)1p≤Np⁢∥x∥∞

であり、また明らかに

|xi|≤(∑i=1N|xi|p)1p=∥x∥p

なので

∥x∥∞≤∥x∥p≤Np⁢∥x∥∞

となり、同値であることがわかる。
ノルムの同値性は同値関係になるのでp-ノルム同士は同値であり、更に同じ同値類に∞-ノルムが入っている。特に2-ノルムと∞-ノルムは同値なので∞-ノルムと2-ノルムが定めるℝNの位相は同じ位相である。つまり位相空間としての(ℝN,∥∙∥∞)は通常のユークリッド位相空間である。

上ではp-ノルムと∞-ノルムが同値であることを示したが、実はℝN上の任意のノルムが∞-ノルムに同値であることを示そう。ノルムが同値であるとう言う関係は同値関係だったので、ℝN上のノルムは全て同値であるということが、これからわかる。

定理 6.

ℝN上の任意のノルムnは∞-ノルムと同値。

証明.

ℝNの標準的な基底をeiと書くことにする。そして

C=maxi=1,…,N⁡n⁢(ei)

と定義するとC>0である. ここでnがノルムであることから 任意のx∈ℝNについて

n⁢(x)≤n⁢(∑i=1Nxi⁢ei)≤∑i=1Nn⁢(xi⁢ei)⁢=⁢∑i=1N|xi|⋅n⁢(ei)≤C⁢∑i=1N|xi|≤N⁢C⁢∥x∥∞

となる。 ここでx=∑i=1Nxi⁢eiであることを使った. さてノルムの三角不等式から |n⁢(x)−n⁢(y)|≤n⁢(x−y)がわかり、

|n⁢(x)−n⁢(y)|≤n⁢(x−y)≤N⁢C⁢∥x−y∥∞

を得る。このことからノルムnはノルム空間 (ℝN,∥∙∥∞)上で連続であることがわかる。 さてℝNの部分集合Kを

K={x∈ℝN|∥x∥∞=1}

と置くと2-ノルムと∞-ノルムが同値であることから集合KはℝNの通常の距離における有界閉集合であることがわかる。よってKはコンパクトである。 ノルムnはもちろんK上でも連続なのでKのコンパクト性からnはK上で最小値と最大値を取る。これらをそれぞれm,Mとおくことにしよう. 0∉KなのでM, mは両方とも正の実数となる。任意のx∈ℝNについて

x∥x∥∞∈K

なので,M,mの定義から

m≤n⁢(x∥x∥∞)≤M

が成り立つ.ゆえに

m⁢∥x∥∞≤n⁢(x)≤M⁢∥x∥∞

となるのでnと∥∙∥∞は同値である。 ∎

系 7.

有限次元線形空間上のノルムは全て同値である。

実はより強く局所コンパクトハウスドルフな位相線形空間は有限次元になるという定理があるのですが、それはまた別のお話。