有限次元ノルム空間
定義 1 (ノルム).
線形空間からへの写像 がノルムであるとは任意のに対して
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を充たすこと。
例 2 (-ノルム).
実数について次元ユークリッド空間上の-ノルムを
と定義すると、これは上のノルムになっている。ただしはの標準的な基底での第成分である。ノルムであることの証明は略する。手頃な本を開けば載っていると思う。
注意.
-ノルムは通常のユークリッドノルムであり、位相空間としてのは通常のユークリッド位相空間である。
例 3 (-ノルム).
次元ユークリッド空間上の-ノルムを
と定義するとこれは上のノルムとなっている。ここではの範囲を動き、はの標準的な基底での第成分である。
定義 4.
線型空間上の2つのノルム が同値であるとはある正の実数が存在して
となることである。
注意.
が同値であると言う関係を
で書くとは同値関係になっている。確かめるのは容易いことである。
また、上の2つのノルムが同値であるとき、そのつのノルムが定める位相は同じ位相となる。
例 5.
任意のに対して-ノルムと-ノルムは同値となる。実際
より
であり、また明らかに
なので
となり、同値であることがわかる。
ノルムの同値性は同値関係になるので-ノルム同士は同値であり、更に同じ同値類に-ノルムが入っている。特に-ノルムと-ノルムは同値なので-ノルムと-ノルムが定めるの位相は同じ位相である。つまり位相空間としてのは通常のユークリッド位相空間である。
上では-ノルムと-ノルムが同値であることを示したが、実は上の任意のノルムが-ノルムに同値であることを示そう。ノルムが同値であるとう言う関係は同値関係だったので、上のノルムは全て同値であるということが、これからわかる。
定理 6.
上の任意のノルムは-ノルムと同値。
証明.
の標準的な基底をと書くことにする。そして
と定義するとである. ここでがノルムであることから 任意のについて
となる。 ここでであることを使った. さてノルムの三角不等式から がわかり、
を得る。このことからノルムはノルム空間 上で連続であることがわかる。 さての部分集合を
と置くと-ノルムと-ノルムが同値であることから集合はの通常の距離における有界閉集合であることがわかる。よってはコンパクトである。 ノルムはもちろん上でも連続なのでのコンパクト性からは上で最小値と最大値を取る。これらをそれぞれとおくことにしよう. なので, は両方とも正の実数となる。任意のについて
なので,の定義から
が成り立つ.ゆえに
となるのでとは同値である。 ∎
系 7.
有限次元線形空間上のノルムは全て同値である。
実はより強く局所コンパクトハウスドルフな位相線形空間は有限次元になるという定理があるのですが、それはまた別のお話。