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児玉永見のゼロ集合に関する演習問題についてのLaTeXML自動変換版です。自動検査には合格していますが、元PDFとの目視比較は未実施です。正本はPDF・TeXです。

児玉永見のゼロ集合に関する演習問題とその反例について

ナンブ キトラ
HTML変換日:2026年7月26日

1 児玉永見の演習問題と反例について

位相空間Xの部分集合Sゼロ集合 であるとは連続関数f:X が存在してS=f1(0) となることである。

児玉永見[児玉・永見][p.45, 1.I, (6)]には以下の問題を示せという趣旨の演習問題がある。

問題 1.

Xを位相空間とし、Fをそのゼロ集合とする。さらにHFのゼロ集合とするとき、HXのゼロ集合であることを示せ

この問題1には、反例がある。

命題 2.

次の条件を満たす位相空間Xが存在する。

  1. 1.

    Xは完全正則空間である。

  2. 2.

    X は可分である。

  3. 3.

    Xのゼロ集合Fであって、連続体濃度の離散空間と同相なものが存在する。

証明.

[反例集][p.103, 反例番号84] ゾルゲンフライ平面S×Sと その部分集合F={(x,y)x+y=0} が該当する。 また、 [反例集][p.100, 反例番号82]Niemytzkiの半平面とその部分集合のxF={(x,y)y=0}も該当する。 ∎

注意.

上記の命題2の条件23を同時に満たす正規空間 X は存在しない。 というのも、可分性から Xからへの写像は高々連続体濃度しかないが、 閉集合F上の連続関数全体は連続体濃度の冪と同じ濃度を持つからである。 このときもしも Xが正規だとティーチェの拡張定理から連続関数の個数が連続体濃度の冪と等しくなり、可分性と矛盾する。

定理 3.

上の命題の位相空間Xとそのゼロ集合 Fについて、 Fのゼロ集合H であって、Xのゼロ集合ではないものが存在する。

証明.

XFを 命題 2 のものと同じとする。 このとき 上記の注意書きと同様の論法でHの存在を証明できる。 今からそれを説明しよう。

Xの可分性からXのゼロ集合の個数は高々連続体濃度である。なぜならそれは実連続関数の引き戻しで表され、 実連続関数の個数は高々連続体濃度だからである。

F上のゼロ集合の個数について考えてみよう。 Fは 離散空間なので、任意の部分集合がFのゼロ集合となる。 そしてFは連続体濃度を持つので、 F上のゼロ集合の個数はちょうど連続体濃度の冪と同じ濃度になる。 よって、濃度の大小関係から、 Xのゼロ集合ではないようなFのゼロ集合Hが存在する。 ∎

2 正規空間のときどうなるか

前の節では完全正則空間に対してゼロ集合の話をしたが、 正規空間で反例になる空間が存在するのか気になるところである。実はXが正規空間の時にはゼロ集合のゼロ集合は元の空間Xのゼロ集合となる。 次の定理を利用するとすぐにわかる。 証明は [2, Corollary 2.1][1, Theorem 1] を参照されたし。

定理 4.

Xを正規空間とし、 Fをその閉集合とし、 HXGδ閉集合とする。 そして ϕ:A[0,1]を 連続関数で ϕ1(0)=HF となるものとする。 このとき、連続関数 Φ:X[0,1] であって Φ|A=ϕΦ1(0)=H を満たすものが存在する。

References

  • [児玉・永見] 児玉之行,永見啓応, 「位相空間論」,岩波書店,1974
  • [反例集] L.A.Steen and J.A.Seebch, Counterexamples in Topology, Dover Publications, Inc.,New York, 1995
  • [1] M. Frantz, Controlling Tietze-Urysohn extensions, Pacific J. Math. 169 (1995), no. 1, 53-73.
  • [2] K. Yamazaki, Controlling extensions of functions and C-embedding, Topology Proc. 26 (2001/02), no. 1, 323-341.