AUTOMATIC HTML VERSION

van der Waerdenの定理とRamseyの定理のLaTeXML自動変換版です。自動検査には合格していますが、元PDFとの目視比較は未実施です。正本はPDF・TeXです。

van der Waerden Theorem and Ramsey Theorem

電波通信
HTML変換日:2026年7月26日

この文章ではvan der waerdenの定理とRamseyの定理を証明し,コンパクト性原理とも呼ばれるRadoの選択定理を紹介する.

1 van der Waerden’s Theorem

このセクションでは特に断らない限りは,自然数a,bについて[a,b]={xaxb}とする.

二つのm(xi),(yi)[0,l]ml-同値であるとは,値がlであるような最後の番号までこの二つが一致していることとする.つまり,

j{nxn=l}{nyn=l}ijxi=yi

この同値類による代表元は(,,,,l,0,0,,0)という形のものを選べる.

任意のm,l+に対して,次の主張をS(l,m)とかこう: 任意のr+に対してN(l,m,r)が存在して, 任意の写像[1,N(l,m,r)][1,r] に対してa,d1,d2,,dmが存在し, 任意の(xi)[0,l]mに対して a+i=1xidiN(l,m,r)であり,かつ C(a+i=1xidi)l-同値類上で定数となる.

補題 1.

S(l,1)S(l,m)が成立するならば,S(l,m+1)が成立する.

証明.

rを固定する.M=N(l,m,r)とし,N=N(l,1,rM)とする. そして,写像C:[1,MN][1,r]が与えられているとする. さてこのとき,写像D:[1,N][1,r]M[1,rM] を以下のように定義する.g,h[1,N]についてD(g)=D(h)とは 任意のj[0,M1]について

C(gMj)=C(hMj)

が成り立つこととする. Nの定義から,あるq,k+が存在して 任意のx[0,l1]について q+xkNであり, D(q+xk)が定数となる. さて,S(l,m)を区間[(q1)M+1,qM] に対して適応する.すると,あるa,d1,,dm+ が存在して, a+i=1mxidi[(q1)M+1,qM]であり, C(a+i=1mxidi)l-同値類上で定数になる. q,kの定義から 任意の x[0,l1]について

D(q+xk)=D(q)

が成り立ち,このこととDの定義から任意のb[1,M]について

C((q1)M+b+xkM)=C((q1)M+b)

が成り立つ. 次にdm+1=kM として,a,d1,,dm,dm+1が求める条件を満たすことを確めよう.任意に(xi)[0,l]m+1とすると,

a+i=1m+1xidia+i=1mxidi+xm+1kdm+1qM+lkM=(q+lk)MMN

である. 任意に(xi)[0,l]m+1をとる.

Case1 xm+1<lのとき, a+i=1mxidi[(q1)M+1,qM]と 先に示したことから,

C(a+i=1mxidi+xm+1dm+1)=C(a+i=1mxidi)

となるので,l-同値類の上で定数となる.

Case2 xm+1=lのとき.このときは(xi)l-同値類は一個しかないから証明することは何もない.

以上で補題が示された. ∎

以下では一般にi=10fi=0であることに注意せよ.

補題 2.

任意のについてS(l,m)が成立するならば, S(l+1,1)が成立する.

証明.

rを固定する. 簡単のためにN=N(l,r,r)とする. さて,任意にC:[1,2N][1,r]をとる. すると,a,d1,,drが存在して 任意の(xi)[0,l]rについて a+i=1rxidiNであり, C(a+i=1rxidi)l-同値類上で定数となる.

w[0,r]について

C(a+i=1wldi)

を考えよう.彩色はr個で,[0,r]r+1個あるので,ある u,v[0,r]が存在してu<v

C(a+i=1uldi)=C(a+i=1vldi)

である. x[0,l]を任意に与える,x<lのときには (l,,l,x,,x)(l,,l,0,0)l-同値なので

C((a+i=1uldi)+x(i=u+1vdi))=C(a+i=1uldi)

また, x=lのときは C(a+i=1uldi)=C(a+i=1vldi) なので, q=(a+i=1uldi), k=(a+i=1vldi) として,S(l+1,1)の成立がわかる. ∎

以上の補題から次のことがわかる.

定理 3.

任意のl,m+について,S(l,m)が成り立つ.

van der Waerdenの定理とは次の主張のことである.

定理 4 (van der Waerden theorem).

任意のl,r+に対してn(l,r)+が存在して, 任意のC:[1,n(l,r)][1,r] に対してあるw[1,r]が存在して,C1(w)は 長さlの等差数列を含む.

このvan der Waerdenの定理はl+S(l,1)が成り立つというのと同値であるから,上の定理から成立がすぐにわかる. mという補助パラメーターを用いて,証明を簡略化しているのである.

系 5 (infinite van der Waerden theorem).

任意のr+と任意の彩色C:+[1,r] についてあるw[1,r]が存在してC1(w) は任意の長さの等差数列を含む.ここで,等差は一定でなくて良い.

証明.

彩色Cに対して次のように集合を定義する.

S={(l,n,w)+×+×[1,r]C1(w)[1,n]は長さlの等差数列を含む}

van der Weardenの定理より,任意のlについて(n,w)+×[1,r] が存在して(l,n,w)Sである.特にSは無限集合である. また写像p:S+;(l,n,w)lは全射である. そして写像q:S[1,r];(l,n,w)w を考えると,Sが無限集合であることと,pが全射であることから あるw[1,r]についてp(q1(w))は無限集合である. また,(l,n,w)Sならばm<lとなるm について(m,n,w)Sなので, p(q1(w))が無限集合となるw[1,r]について, C1(w)は任意の長さの等差数列を含む. ∎

2 Ramsey’s Theorem

集合Sと基数nについて[S]nSの濃度nの部分集合全体を表すことにする.

基数κ, n, c, λについて, 任意の彩色Γ:[κ]ncについて,濃度λκの部分 集合Mが存在して,Γ|[M]nが定数となるという命題を κ(λ)cnで表すことにする. この文章では特にκ, λが高々可算基数の場合を取り扱う. つまり古典的なラムゼーの定理である.

2.1 Infinite Ramsey Theorem

明らかに次がわかる.

補題 6.

0(0)c1

まず最初にnについて帰納法を回せることを示す.

補題 7.

n2について 0(0)cnならば 0(0)cn+1

証明.

0(0)cn が正しいとする.

Aを加算集合とする.Γ:[A]n+1cを色付けとする. 任意のxについて,Γx:[A{x}]ncを以下のように定義する.S[A]nについて

Γx(S)=Γ(S{x})

帰納的に集合列Skと列 {xk}と 関数列vk:kcを構成していく. まず S0=Aとし,x0Aの適当な元とする.v0 は空写像である.

一般にkまでSkxkvkが定義されたときに Sk+1A{xk}の部分集合で Γxkについて同色なものとする. xk+1Sk+1の適当な元とし vk+1|k=vkと定義し, vk+1(k)Sk+1の色とする.

さて,v:ω0cv(k)=vk+1(k) と定義する.このときv0,1,,c1の値のうちどちらを無限回とる.(これは0(0)c1ということでもある.) 一般性を失うことなく0がそうであるとしてもよい.

B={xkv(k)=0}

と定義する.Bは加算集合である. ここで,k0<<knを任意にとる. Smの定義から,xk1,xknSk+1 であり,v(k)=0から

Γxk0({xk1,xkn})=Γ({xk0,xkn})=0

k0,,knは任意であったから つまり,Γ[B]n0の値しか取らない. ∎

以上から次の定理がわかる.

定理 8 (Ramsey’s Theorem).

n,c+とすると 0(0)cnが成り立つ.

2.2 Finite Ramsey Theorem

任意のn,c,a0,ac1+について 次の言明をMRamcn(a0,,ac1)で表す. あるr+が存在して,rNとなる任意のNと, 任意の彩色Γ:[N]ncに対して あるicANが存在してai|A|かつ Γ([A]n)=iを満たす.

任意のn,c,a+について 次の言明をRamcn(a)で表す. あるr+が存在して,rNとなる任意のNと, 任意の彩色Γ:[N]ncに対して ANが存在してa|A|かつ Γ([A]n)は定数である.

定義から直ちに次のことがわかる.

補題 9.
nca0ac1(Ramcn(max{a0,,ac1})MRamcn(a0,,ac1))

我々が示すべき命題は次である.

定理 10 (Finite Ramsey Theorem).
ncaRamcn(a)
証明.

0(0)cnの成立と 背理法で示す.

nca¬Ramcn(a)

を仮定する.

ここで,¬Rcn(a)とは次の言明のことである. 任意のr+に対して,あるrNと彩色 Γ:[N]ncが存在して, どんなa<|A|を満たすANΓ([A]n)は定数にならない.

よって,次のような短調増加列{Ni}iと 彩色Γi:[N]ncが存在する. 任意のiについて, どんなa<|A|を満たすANiΓ([A]n)は定数にならない.

今全単射z:[]n を考える. Γiたちのコドメインは有限集合なので 次のような の無限部分集合{m(i,0)}jが存在する. 任意のiについて0Nm(i,0)であり, Γm(i,0)(z(0)) は同じ値.

帰納的に{m(i,k)}が構成されたときに その可算部分集合{m(i,k+1)} を以下を満たすものとして定義する. 任意のiについてk+1m(i,k+1)であり, Γm(i,k+1)(z(k+1))は単色.

さて,Γ:[]nc を以下のように定義する. e[]nについて Γ(e)=Γm(z1(e),z1(e))(e) と定義する. このとき0(0)cnが成立するので, ある無限集合Aが存在して Γ([A]n)は単色となる. 有限集合SA|S|=aとなるように適当に取る. そして,m(i,i)maxS<Nm(i,i)となるように取る. m(i,j)の定義から, Γ|Nm(i,i)=Γm(i,i) である.さて,Sはその定義の仕方からΓm(i,i)([S]n) が定数になり,SNm(i,i)となる. これはNiの定義に反するので,背理法により定理が証明された. ∎

3 Compactness Principle

上の方法と同じだが, このセクションではRadoの選択原理を用いて 無限ラムゼーの定理から有限ラムゼーの定理を証明する. また,無限van der Waerdenの定理から有限版を導く.

定理 11 (Rado’s selection principle).

{Ai}iIを有限集合の族とする. また,𝒫[I]<ω は任意の J1,J2𝒫に対してあるJ3𝒫 が存在してJ1J2J3を満たすとする. 各J𝒫について fJiJAiが与えられているとする. このとき,FiIAiが存在して, 任意のJ𝒫に対してK𝒫 が存在して JKF|J=fK|J を満たす.

証明.

チコノフの定理からiIAi は離散空間の直積空間としてコンパクトである. 各J𝒫について

EJ={giAiK[I]<ωg|J=fK|J}

と定義する.EJ は非空である.  これが閉集合であることを示そう. gEJとする.このとき任意のJKについて g|JfK|Jである. さて,O={hiIf|J=g|J} とすると,Jは有限集合なのでO開集合である. 定義からOEJ=Øなので,EJが閉集合であることがわかる. また,J1J2J3となる𝒫の元 の三つ組に対して EJ3EJ1EJ2 なので,{EJ}は有限交叉性を持ち,よってコンパクト性から JEJØとなる. FJEJを取れば,これは求める性質を持つ.

Proof finite Ramsey theorems from infinite Ramsey theorem.

背理法で示す.

nca¬Ramcn(a)

を仮定する.

ここで,¬Ramcn(a)とは次の言明のことである. 任意のr+に対して,あるrNと彩色 Γ:[N]ncが存在して, どんなa<|A|を満たすANΓ([A]n)は定数にならない.

よって,次のような短調増加列{Ni}iと 彩色Γi:[N]ncが存在する. 任意のiについて, どんなa|A|を満たすANiΓ([A]n)は定数にならない.

I=[]nとし, Ai=cと定義し, 𝒫={[Ni]ni} とする.このとき f[Ni]n:[Ni]ncf[Ni]n(e)=Γi(e)と定義する. するとRado’s selection principle から Γ:[]ncが存在し, 任意のNiについて,Nk(i<k) が存在しΓ|[Ni]n=Γk|[Ni]n が成り立つ. さて,0(0)cnが成り立つので, あるSが存在してΓ([S]n)は定数になる. Sの部分集合Aa|A|となるようにとる. 次にmaxA<NiとなるNiをとる. すると,Γ|[Ni]n=Γk|[Ni]n なので,[Nk]nの部分集合で,Γk([A]n) が定数で,a|A|となるものは存在しないはずなので,これは矛盾である.よって有限Ramseyの定理が成り立つ. ∎

Proof finite van der Waerden theorems from infinite one.

無限van der Waerdenの定理を仮定して有限のそれを証明する. 有限van der waerdenの定理が成り立たないとする.つまり, あるl,r+が存在して任意のn+に対してある彩色Cn:[1,n][1,r]が存在してどんなw[1,r]についてもCn1(w)が長さlの等差数列を含まないとする. I=+とし 𝒫={[1,n]n+}[I]<ωとおく. また,iIに対してAi=[1,r]とする. 各[1,n]𝒫について f[1,n]:[1,n][1,r]=Aif[1,n]=Cni[1,n]Aiと定義する. このときRado’s selection principleより,あるFiIAiつまり, 写像F:+[1,r]が存在して 任意の[1,n]𝒫に対して[1,k]𝒫が存在して [1,n][1,k]F|[1,n]=f[1,k]|[1,n]=Ck|[1,n] が成り立つ.F+の彩色なので,infinite van der Waerdenの定理から,ある w[1,r]が存在してF1(w)は任意の長さの等差数列を含む. 特に長さlの等差数列{ai}i=1lを含む. N{ai}i=1l[1,N]となるように大きくとると, Fの取り方からNKとなるKが存在してF|[1,K]=CK|[1,N] となる.これはCK1(w)が長さlの等差数列を含むということだから矛盾する.よって有限van der Waerdenの定理が成り立つ.

4 おまけ:帰納法による有限ラムゼーの定理の証明

定義 12.

任意のn,c,a+について,Rcn(a)で, Rcn(a)(a)cnを成り立たせる最小の正の自然数とする. もちろんまだ存在するかどうかは知らないとする. もし,l(a)cnならば,Rcn(a)は存在するし, Rcn(a)lである.

鳩の巣原理から次がわかる.

定理 13.

任意のn,c,a+について ac(a)c1 つまりRc1(a)ac.

補題 14.

当たり前だが,Rcn(a)aである.

定理 15.

任意のn,k,a+について次がわかる. もしRkn(a)が存在し, かつR2n(Rkn(a))が存在するなら Rk+1n(a)も存在し, Rk+1n(a)R2n(Rkn(a)) を満たす.

証明.

NR2n(Rkn(a)) とし, Γ:[N]nk+1を彩色とする. そしてrk+1を適当にとり,新たに彩色Δ:N2

Δ(i)={0Γ(i)r1Γ(i)=r

と定義する. NR2n(Rkn(a))なので, あるNの部分集合AΔ([A]n)が定数であって,card(A)=Rkn(a) となる.もしΔ([A]n)の値が1ならば,Γ([A]n)={r}で, card(A)=Rkn(a)aなので,証明は終わる. もしΔ([A]n)=0ならば Γ|[A]n:[A]nkとみなせるので, card(A)=Rkn(a)からさらにAの部分集合Bcard(B)aであり,Γ([B]n)が定数であるものが存在する.これで証明が終わる. ∎

定理 16.

もしnを任意に与える. もし任意のx+についてR2n(x)が存在するならば, R2n+1(a)も存在し, R2n+1(a)(R2n)2a(a)=R2n(R2n(R2n(a))) を満たす.

証明.

(R2n)2a(a)N とする. 帰納的に NiNiNかつ|Ni|(2R2n)2ai(a), xiNivi:i2 (i2a) を構成しいていく. まずN0=Nとし,x0N0の適当な元とする. そして,v0は空写像である. Ni, ei, vi が構成された時に Ni+1, ei, viを構成する. |Ni|(2R2n)2ai(a)なので, Γxiをについて同色な部分集合Aで, A(R2n)2ai1(a)となるAが存在する.これをNi+1とし,vi+(i+1)[Ni+1]nの色とする.

さて,v2a1:2a2はについて,|S|=aで,v2a1(S)が等色になるものが存在する(2a(a)21が成り立つということでもある).その値は0としても一般性を失わない. M={xiiA}とする. もちろん|M|=aである. 任意にk0<k1knをとると, xkiNk0である. また,v2a1(k0)=0なので

Γxk0({xk1,,xkn})=Γ({xk0,xkn})=0

である.kは任意であったから,Γ([M]n+1)=0 であり,等色である. ∎

定理 17.

任意のn,c,a+についてRcn(a)が存在する.つまり, 任意のn,c,a+について十分大きいNが存在して

N(a)cn

を満たす.

証明.

上の命題を帰納法で回すとわかる. ∎

References

  • [1] W. H. Gottschalk, Choice functions and Tychonoff’s theorem, Proc. Amer. Math. Soc. 2 (1951), 172.
  • [2] R. L. Graham and B. L. Rothchild, A short proof of van der Waerden’s theorem on arithmetic progressions, Proc. Amer. Math. Soc. 42 (1974), 385–386.
  • [3] R. Rado, Aximatic treatment of rank in infinite sets, Canad. J. Math. 1 (1949), 337–343.