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Nobleの定理のLaTeXML自動変換版です。自動検査には合格していますが、元PDFとの目視比較は未実施です。正本はPDF・TeXです。

Noble’s theorem

一色三良(concious77)
HTML変換日:2026年7月26日

この文章ではNobleの定理と呼ばれるコンパクトハウスドルフ空間の一つの特徴づけを紹介する。事実ばっかり出てくると思うが、カントール集合のあたりの話以外はすべて電波通信の記事の中で参照できる。

事実 1 (tube lemma).
111「tube lemma」参照

Xを位相空間、Yの部分集合Aをコンパクトとする。更にx∈XとX×Yの開集合Oが

{x}×A⊂O

を充たしているとする。このときXにおけるxの開近傍NとYにおけるAの近傍Mが存在して

{x}×A⊂N×M⊂O

を充たす。

定義 2.

連続関数f:X→Yが次の条件(⋆)充たすときfを完全写像と呼ぶ222完全写像に全射性を仮定する流儀もある。

(⋆)

任意のy∈Yについてf−1⁢(y)はXのコンパクト集合かつfは閉写像

次の事実の証明は簡単であると思う。

事実 3.

コンパクトハウスドルフ空間の間の連続写像f:X→Yについて、fは閉集合であり、かつ任意のy∈Yについてf−1⁢(y)はコンパクトである。つまりfは完全写像である。

次の命題は実は完全写像の特徴づけにもなっているのだが、この文章では以下に述べる程度のことしか使わない。

命題 4.

X,Yを位相空間、f:X→Yを完全写像、Zを位相空間とする。このとき、

1Z×f:Z×X→Z×Y

は閉写像となる。333実際はより強く完全写像となる

証明.

A⊂Z×Xを閉写像とし、(a,b)∉(1Z×f)⁢(A)とする。このとき、

(1Z×f)−1⁢(a,b)={a}×(f−1⁢(b))

となり、更に明らかに

A∩((1Z×f)−1⁢(a,b))=Ø

となる。つまり

(1Z×f)−1⁢(a,b)⊂(Z×X)∖A

である。(Z×X)∖Aが開集合であることから、Tube lemmaより、aの開近傍Nとf−1⁢(b)の開近傍Mが存在して

(1Z×f)−1⁢(a,b)={a}×(f−1⁢(b))⊂N×M⊂(Z×X)∖A

を充たす。ここで、V=f!⁢(M)=Y∖f⁢(X∖M)と置くと、fが閉写像であることと、f−1⁢(b)⊂Mから、VはMの開近傍である。444「閉写像云々」参照さて

y∈f!⁢(M)⇔f−1⁢(y)⊂M

が成り立つことなどから555「閉写像云々」参照

(N×V)∩((1Z×f)⁢(A))=Ø

が分かる。N×Vは(a,b)の開近傍であることから、結局(1Z×f)⁢(A)が閉集合であることが分かる。

よって1Z×fは閉写像である。 ∎

定義 5.

2={0,1}に離散位相を入れて、直積空間D=2ℵ0を考える。この空間をカントール空間と呼ぶ。この空間はミドルサードの議論で構成されるあのカントール集合と同相である。666このことを見るには、カントール集合の元が3進展開したときどのような形になるのかということを思い出せばよい。

事実 6.

Dから単位区間I=[0,1]への全射連続写像が存在する。777このことを見るには、2進展開を考えればよい。

事実 7.

Xをコンパクトハウスドルフ空間とし、その位相的重みがw⁢(X)≤𝔪とする。このときXはI𝔪に埋め込まれる。888「完全正則空間とか」参照

注意.

w⁢(X)で位相空間の重みを表す。つまり位相空間Xの開基の最小濃度である。

定理 8.

位相空間Xと任意の無限基数𝔪について以下は同値

(1) X×2𝔪⁢は⁢正⁢規
(2) X×D𝔪⁢は⁢正⁢規
(3) X×I𝔪⁢は⁢正⁢規
(4) w⁢(Y)≤𝔪⁢と⁢な⁢る⁢任⁢意⁢の⁢コ⁢ン⁢パ⁢ク⁢ト⁢ハ⁢ウ⁢ス⁢ド⁢ル⁢フ⁢空⁢間⁢K⁢に⁢つ⁢い⁢て⁢X×K⁢は⁢正⁢規
証明.

ℵ0×𝔪=𝔪から2𝔪≈D𝔪となるので、(1)⇔(2)はわかる。

(2)⟹(3)は全射D→Iが存在することと、上の命題4から全射X×D𝔪→X×I𝔪が閉写像となり、正規空間の閉像が正規になることからわかる。

(3)⟹(4)はw⁢(Y)≤𝔪となるコンパクトハウスドルフ空間はI𝔪に埋め込めることと正規空間の閉集合は正規であることからわかる。

(4)⟹(1)は自明。 ∎

事実 9 (玉野の定理).
999「パラコンパクト性など:アドベントカレンダー2015」参照

T3.5空間Xについて以下は同値

(5) X⁢は⁢パ⁢ラ⁢コ⁢ン⁢パ⁢ク⁢ト
(6) 任⁢意⁢の⁢コ⁢ン⁢パ⁢ク⁢ト⁢ハ⁢ウ⁢ス⁢ド⁢ル⁢フ⁢空⁢間⁢K⁢に⁢つ⁢い⁢て⁢X×K⁢は⁢T4
事実 10 (Stone).
101010「非可算個の可算離散空間の直積について」参照

非空なT1位相空間の族{Xλ}λ∈Λに於いて∏λ∈ΛXλが正規111111このとき自動的にT4にもなる。ならΛの高々可算な元を除いてXλは可算コンパクトである。

事実 11 (Arens-Dugundji).
121212「可算コンパクトとメタコンパクト」参照

可算コンパクトかつメタコンパクトな空間はコンパクトである。

定理 12 (Noble).

位相空間Xは任意の基数𝔪についてX𝔪がT4であるならば、Xはコンパクトハウスドルフである。

証明.

Xが空集合、または一点のみからなる空間のときは、定理の主張は自明であるので、以下card⁢(X)≥2と仮定する。

さて、𝔪=1としてXがT4であることが分かる。

Xℵ1もT4なので上の事実10からXは可算コンパクトであることが分かる。

X×X𝔪もT4なので、これの閉部分空間であるX×2𝔪もT4であるから𝔪の任意性と事実7、定理8と事実9からXはパラコンパクトであることが分かる。そして事実からXはコンパクトであることが分かる。131313Xはパラコンパクトなので特にメタコンパクトである。ところで事実11の証明の仮定をメタコンパクトの代わりにパラコンパクトハウスドルフにまで強めると事実11の証明はより簡単になる。 ∎

References

  • [1] 児玉之行,永見啓応,位相空間論,岩波書店,1974