Noble’s theorem
この文章ではNobleの定理と呼ばれるコンパクトハウスドルフ空間の一つの特徴づけを紹介する。事実ばっかり出てくると思うが、カントール集合のあたりの話以外はすべて電波通信の記事の中で参照できる。
事実 1 (tube lemma).
111「tube lemma」参照を位相空間、の部分集合をコンパクトとする。更にとの開集合が
を充たしているとする。このときにおけるの開近傍とにおけるの近傍が存在して
を充たす。
定義 2.
連続関数が次の条件充たすときを完全写像と呼ぶ222完全写像に全射性を仮定する流儀もある。
- ()
-
任意のについてはのコンパクト集合かつは閉写像
次の事実の証明は簡単であると思う。
事実 3.
コンパクトハウスドルフ空間の間の連続写像について、は閉集合であり、かつ任意のについてはコンパクトである。つまりは完全写像である。
次の命題は実は完全写像の特徴づけにもなっているのだが、この文章では以下に述べる程度のことしか使わない。
命題 4.
を位相空間、を完全写像、を位相空間とする。このとき、
は閉写像となる。333実際はより強く完全写像となる
証明.
を閉写像とし、とする。このとき、
となり、更に明らかに
となる。つまり
である。が開集合であることから、Tube lemmaより、の開近傍との開近傍が存在して
を充たす。ここで、と置くと、が閉写像であることと、から、はの開近傍である。444「閉写像云々」参照さて
が成り立つことなどから555「閉写像云々」参照
が分かる。はの開近傍であることから、結局が閉集合であることが分かる。
よっては閉写像である。 ∎
定義 5.
に離散位相を入れて、直積空間を考える。この空間をカントール空間と呼ぶ。この空間はミドルサードの議論で構成されるあのカントール集合と同相である。666このことを見るには、カントール集合の元が3進展開したときどのような形になるのかということを思い出せばよい。
事実 6.
から単位区間への全射連続写像が存在する。777このことを見るには、2進展開を考えればよい。
事実 7.
をコンパクトハウスドルフ空間とし、その位相的重みがとする。このときはに埋め込まれる。888「完全正則空間とか」参照
注意.
で位相空間の重みを表す。つまり位相空間の開基の最小濃度である。
定理 8.
位相空間と任意の無限基数について以下は同値
| (1) | |||
| (2) | |||
| (3) | |||
| (4) |
証明.
からとなるので、はわかる。
は全射が存在することと、上の命題4から全射が閉写像となり、正規空間の閉像が正規になることからわかる。
はとなるコンパクトハウスドルフ空間はに埋め込めることと正規空間の閉集合は正規であることからわかる。
は自明。 ∎
事実 9 (玉野の定理).
999「パラコンパクト性など:アドベントカレンダー2015」参照空間について以下は同値
| (5) | |||
| (6) |
事実 10 (Stone).
101010「非可算個の可算離散空間の直積について」参照非空な位相空間の族に於いてが正規111111このとき自動的ににもなる。ならの高々可算な元を除いては可算コンパクトである。
事実 11 (Arens-Dugundji).
121212「可算コンパクトとメタコンパクト」参照可算コンパクトかつメタコンパクトな空間はコンパクトである。
定理 12 (Noble).
位相空間は任意の基数についてがであるならば、はコンパクトハウスドルフである。
References
- [1] 児玉之行,永見啓応,位相空間論,岩波書店,1974