The Proofs of Kuratowski-Mrówka’s Theorem
定理 1.
位相空間に対して以下は同値。
| (1) | |||
| (2) |
この定理のはTube lemma(a.k.aいつものアレ)からすぐに従う。 この文章ではの5通りの証明を与える。
また、一色による証明と、Mrówkaによる証明以外の証明には選択公理が用いられていないことにも注意せよ。
1 冬くんの証明
まず最初に冬(fuyu_atsusugi__)君による証明を紹介する。
冬くんによる証明.
の開被覆をとする。仮定から射影
は閉写像である。 さてここでの開集合を
と定義し、
として、
と定義する。もちろんはの閉集合である。 このとき
であり、は閉集合なのでの基本近傍が存在して
を充たす。ここで、はの有限部分集合であり、各は開集合であり、としてもよい。このとき次の主張が成り立つ。
主張.
主張の証明.
各に対し、
とする。このとき
が成り立つ。
さてここで、と仮定しよう。そしてとすると、の定義からが成り立つが、
という式をへと射影すると、の定義から
が成り立つが、
なので矛盾する。よって
が成り立つ。[主張の証明終]∎
[定理の証明の続き] は有限集合なので、がコンパクトであることが分かる。 ∎
冬くんはを用いてこの定理を証明したが、以外の空間を用いても証明することが出来る。
[4]による証明.
上の証明で、の代わりにシエルピンスキー空間(開集合系は)という空間)を考え、の代わりに、
を使った証明が与えられている。 ∎
2 一色による証明
冬くんは本格的な証明を見せる前にがリンデレフの場合の証明をみせて、証明のアイデアを伝えてくれた。上の証明でいうとの場合である。このときの代わりに、の代わりにを用いた証明ができる。冬くんはそれを見せてくれたのだが、知っての通り、は順序の向きを逆にしてと順序同型であるが、そのことから、一般の場合も基数を用いて証明できるのではないかと思って一色が考えたのが以下の証明である。([1]参照)
一色による証明.
の対偶を示す。つまりノンコンパクトな空間に対してが閉写像とならないようなを構成する。
今、がノンコンパクトなので有限部分被覆を持たない開被覆が存在する。さてこのについて基数を
と定義する。ここでで集合の基数を表す。の取り方からは無限基数である。 は
の最小値であるので
となるものが存在する。これをで添字付けて
と置く。 さて、
と置き、の開集合系を
と 定義する。そしての部分集合を
と定義する。定義から
では被覆を成してるので
が成り立つ。そして は明らかにの開集合であるので
はの閉集合となり。
が成り立つ。なので射影による像は
を充たす。このについて次の主張が成り立つ。
主張.
主張の証明.
を任意に与える。
なのでの定義よりはの被覆でない。そこでを取る。このとき
でならなので
となる。よって
が成り立ちつまり
だから
となる。は任意でだったので
[主張の証明終]∎
[定理の証明の続き]は無限基数なので極限数である。つまりの中では集積点となっており、特には開集合ではない。よっては閉集合ではない。つまり 射影は閉写像でない。 ∎
3 Mrówkaによる証明
Mrówkaが[8]で与えたオリジナルの証明を紹介する前に少し準備をする。
定義 2 (完全集積点).
111この完全集積点という言葉は、complete accumulation point の訳語である。[2]では完備集積点と訳されているが、ここでは[6]に倣って完全集積点とした。位相空間の部分集合について、がの完全集積点であるとは、の任意の開近傍について
となること。
事実 3.
位相空間がコンパクトであることと、の任意の無限部分集合が完全集積点を持つことは同値である。
Mrówkaによる証明.
の対偶を示す。つまりノンコンパクトな空間に対してが閉写像とならないようなを構成する。
をノンコンパクトとすると、事実3から完全集積点を持たない無限部分集合が存在する。とし,と添え字付けられているとしよう。ただし、個の添え字付けは単射であるとする。そしての部分空間を
と定義する。のにおける閉包が任意のについてという形の元を含んでいないことを示そう。
はの完全集積点ではないからの開近傍が存在して
を充たす。よって、
を考えるとであり、が基数であることからならばであることと、から
がわかる。このとき、ならばである。。このとき、
はの開近傍であり、と交わらない。よって、任意のについてであるから、
であり、は開集合ではありえないので結局は閉写像ではない、 ∎
4 ブルバキによる証明
ブルバキによる定理の証明は簡潔で無駄がなく、一番綺麗な証明といえるだろう。
以下の事実の証明は電波通信の「フィルターとコンパクト性」の記事を参照のこと
事実 4 (コンパクト性とフィルター).
以下は同値
| Xはコンパクト | ||
References
- [1] 冬(fuyu_atsusugi__)くんとのPrivate Comunication, 2015, 10月
- [2] 壱大整域のAlexandroff-Urysohn-コンパクトのpage, http://alg-d.com/math/ac/auc.html , 2016年7月閲覧
- [3] 電波通信の「フィルターとコンパクト性」,http://blog.hatena.ne.jp/concious4410/concious4410.hatenablog.com/ edit?entry=6653458415125359892, 2016年7月閲覧
- [4] 斉藤毅, 集合と位相, 大学数学の入門, 東京大学出版会, 2009
- [5] ブルバキ、数学原論、位相1
- [6] ポントリャーギン著、柴岡泰光・杉浦光夫・宮崎功 共役, 連続群論 上, 岩波書店,第28版, 2009,
- [7] Kuratowski, Evaluation de la classe borélienne ou projective d’un ensemble de points á l’aide des symboles logiques, Fund.Math, vol 17, 1931,pp249-272
- [8] S. Mrówka, Compactness and product spaces, Colloq.Math. Vol 7, No.1, 1949, pp19-22