可算コンパクトなメタコンパクト空間はコンパクト
この文章では可算コンパクトなメタコンパクト空間がコンパクトであることを紹介する。
以下の文書では位相空間に如何なる分離公理も課さない。
定義 1.
集合の部分集合族との点についてを
と定義する。これをに対するの度数という。
定義 2.
集合の被覆について任意の点について が有限となるとき、をの点有限被覆という。
定義 3.
位相空間についてその任意の開被覆に点有限被覆となる開細分が存在するときをメタコンパクト、もしくは弱パラコンパクトと言う。明らかにパラコンパクト空間はメタコンパクトである。
定義 4 (既約被覆).
集合の被覆が既約被覆であるとは、その真に小さい部分族が被覆を成さないときに言う。
命題 5.
点有限被覆には既約部分被覆が存在する。
証明.
集合の点有限被覆をとし、
とおく。このときには包含関係により順序が備わっている。 の極小元が既約被覆であることに注意しよう。 以下ではがZornの補題の仮定を充すことを確かめる。 をの全順序部分集合とする。 このときがの下界になることを見よう。 そのためにはこれがの被覆になっていることを示せば良い。 を任意に取ろう。 そしてが属するの元を としよう。 このうちのどれか一つはの全てに属している。 もしそうでないとするとあるが存在して、 となるが、 と置くと、任意のについてとなる。 よってとなり、が被覆であることに矛盾する。 ∎
定理 6 (Arens-Dugundji).
可算コンパクトかつメタコンパクトな空間はコンパクトである。
証明.
には既約被覆でとなるものが存在するとしよう。としよう。ここで添え字付けは単射とする。は無限集合なのでがとれる。ここで添え字付けは単射とする。そしてとして
と定義しよう。すると
であり、既約性からである。そして点有限性から
なのでは可算コンパクトではない。以上から対偶を考えてが可算コンパクトならば、既約被覆は有限被覆になる。よってメタコンパクトな可算コンパクト空間はコンパクトになる。 ∎
References
- [1] R.Arens and J.Dugundji. Remark on the concept of compactness, Portugal.math.9(1950), 141-143
- [2] J.Greever, On Some Generalized Compactness Properties, Publ.RIMS. Kyoto Univ.Ser. A Vol 4(1968),39-49