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等高線と連続関数:ウリゾーンの補題とティーチェの拡張定理:正規空間その(-1)(修正あり)のLaTeXML自動変換版です。自動検査には合格していますが、元PDFとの目視比較は未実施です。正本はPDF・TeXです。

等高線と連続関数

一色三良(concious77)
HTML変換日:2026年7月26日

この文章では等高線という特定の条件を充たす開集合もしくは閉集合からなる族を定義し、それに付随する連続関数の存在を示す。この議論の応用として正規空間に於けるウリゾーンの補題、ティーチェの拡張定理を示す。 ティーチェの拡張定理はウリゾーンの補題から、一様収束する関数の列を構成して証明する方法が一般的だが、 ティーチェの拡張定理も、ウリゾーンの補題の証明のように、等高線の方法で証明できる。 この文章では正規空間という語をT1を仮定しない意味で用いる。また、等高線という語はこの文章で暫定的に定義したもので、他の数学の文章において一般的に用いられるものでは全くない。

1 等高線

定義 1 (上半連続、下半連続).

位相空間(X,𝔒)に対しその閉集合族を𝔉と書こう。 a,b∈ℝとする。 このとき写像 f:X→[a,b] が上半連続とは

∀u∈[a,b]⁢f−1⁢([u,b])∈𝔉

を充すこととし、 また、fが下半連続とは

∀l∈[a,b]⁢f−1⁢([a,l])∈𝔉

を充すこと と定義する。

明らかに上半連続かつ下半連続な関数は連続であり、連続な関数は上かつ下半連続である。もちろん[a,b]には標準的な位相を入れてその意味で連続と言っているのである。

補題 2.

F,Uをそれぞれ位相空間(X,𝔒)の閉集合、開集合とする。 この時、特性関数

χF,χU:X→[0,1]

はそれぞれ上半連続、下半連続である。

証明.

特性関数は0か1しか値を取らないので証明は簡単である。 ∎

定理 3 (半連続関数の上限と下限).

{fλ:[a,b]→ℝ}λ∈Λを上半連続(下半連続)な写像の族とする。 このとき、(infλ∈Λfλ):[a,b]→ℝ(supλ∈Λfλ)も上半連続(下半連続)

証明.

任意のxについて

infλ∈Λfλ⁢(x)≥u⇔∀λ∈Λ⁢fλ⁢(x)≥u

が成り立つので

(infλ∈Λfλ)−1⁢([u,b])=⋂λ∈Λfλ−1⁢([u,b])

となり、(infλ∈Λfλ)−1⁢([u,b])が閉集合であることがわかるので infλ∈Λfλは上半連続である。下半連続の場合も同様である。 ∎

定義 4 (開等高線).

位相空間Xの開集合からなる部分集合族{V⁢(d)}d∈DがXの開等高線であるとは、添字集合Dが[0,1]の稠密部分集合であり、更にa,b∈Dについて

a<b⟹CL⁢(V⁢(a))⊂V⁢(b)

を充たすことである。

Dとしては、よく[0,1]内の有限桁の二進数全体が採用される。

定理 5.

位相空間Xの等高線{V⁢(d)}d∈Dに対して Dを添え字とする二つの集合族{fd}d∈D,{gd}d∈Dを

fd={dx∈V⁢(d)1x∈X\V⁢(d)gd={dx∈X\CL⁢(V⁢(d))0x∈CL⁢(V⁢(d))

と定義し、

f:=infd∈Dfd
g:=supd∈Dgd

と定義するとf=gであり、これはXから[0,1]への連続関数になる。

証明.


まず、0≤d≤1を踏まえて補題2と同様に各fdは上半連続、各gdは下半連続となる。そして

f:=infd∈Dfd,g:=supd∈Dgd

なので定理3よりfは上半連続、gは下半連続となる。さて

主張.
(1) x∈V⁢(r)⇒f⁢(x)≤r
(2) x∉V⁢(s)⇒s≤f⁢(x)
(3) x∉CL⁢(V⁢(r))⇒r≤g⁢(x)
(4) x∈CL⁢(V⁢(s))⇒g⁢(x)≤s

が成り立つ。

[主張の証明]

(1)について、x∈V⁢(r)ならfr⁢(x)=rなのでfの定義から明らかにf⁢(x)≤rが成り立つ。

(2)について、{V⁢(d)}d∈Dの性質

a,b∈D,a<b⇒CL⁢(V⁢(a))⊂V⁢(b)

よりx∉Vsを仮定するとa≤sとなるa∈Dについて

x∉V⁢(a)

となる。つまり

∀a≤s⁢fa⁢(x)=1

が成り立つ。ところで逆にs<dとなるdについては定義から明らかに

∀d>sfd⁢(x)≥s

が成り立ち、いづれにせよ結局

∀d∈D⁢s≤fd⁢(x)

が成り立ち、fの定義からs≤f⁢(x)を得る。

(3)について、x∉CL⁢(V⁢(r))ならばgr⁢(x)=rなのでgの定義から明らかにr≤g⁢(x)

(4)について、{V⁢(d)}d∈Dの性質

a,b∈D,a<b⇒CL⁢(V⁢(a))⊂V⁢(b)

よりx∈CL⁢(V⁢(s))を仮定するとき、a≤sとなるa∈Dについて

x∈CL⁢(V⁢(a))

となる。つまり

∀s≤a⁢ga⁢(x)=0

が成り立つ。ところで逆にd<sとなるdについてはgdの定義から明らかに

∀d<s⁢gd⁢(x)≤s

が成り立ち、いづれにせよ結局

∀d∈D⁢gd⁢(x)≤s

が成り立つ。 よってgの定義からg⁢(x)≤sを得る。

[主張の証明終わり]

上で示した主張の対偶をとり

(5) r<f⁢(x)⇒x∉V⁢(r)
(6) f⁢(x)<s⇒x∈V⁢(s)
(7) g⁢(x)<r⇒x∈CL⁢(V⁢(r))
(8) s<g⁢(x)⇒x∉CL⁢(V⁢(s))

を得る。これを使ってf=gを示そう。
もしある点xでf⁢(x)<g⁢(x)ならDが[0,1]で稠密なことから

f⁢(x)<s<g⁢(x)

となるs∈Dが存在し上の(6)と(8)からx∈V⁢(s)かつx∉CL⁢(V⁢(s))が成り立ってしまい矛盾する。

もしある点x∈Xでg⁢(x)<f⁢(x)ならDが[0,1]で稠密なことから

g⁢(x)<r<s<f⁢(x)

となるr,s∈Dが存在し上の(5)とs<f⁢(x)からx∉V⁢(s)を得て、(7)とg⁢(x)<rから x∈CL⁢(V⁢(r))を得るが、CL⁢(V⁢(r))⊂V⁢(s)なので矛盾する。

以上の議論から任意の点x∈Xでf⁢(x)=g⁢(x)、つまりf=gであり 、f(=g)はXで上半連続かつ下半連続なのでXで連続である。 ∎

開等高線以外にも色んな種類の等高線が考えられ、それぞれに応じた連続関数の存在が言える。しかし結局は開等高線に帰結出来るし、面倒なので開等高線に帰結出来ることを説明して連続関数の存在については定理や命題としては述べないが、後々の応用で用いる。

定義 6 (逆向き開等高線).

位相空間Xの開集合からなる部分集合族{V⁢(d)}d∈DがXの逆向き開等高線であるとは添字集合Dが[0,1]の稠密部分集合であり、更にa,b∈Dについて

a<b⟹CL⁢(V⁢(b))⊂V⁢(a)

を充たすことである。

sd={dx∈X\CL⁢(V⁢(d))1x∈CL⁢(V⁢(d))⁢td={dx∈V⁢(d)0x∈X\V⁢(d)

と定義するとsdは上半連続であり、tdは下半連続で、

s:=infd∈Dsd,t:=supd∈Dtd

と定義するとs=tであり、これはXから[0,1]への連続関数になる。 逆向き開等高線についてはE={1−d|d∈D}として、 e∈EについてU⁢(e)=V⁢(1−e)と置けば{Ue}e∈Eは開等高線になる。 {U⁢(e)}e∈Eに付随するfe,geとsd=1−g1−d,td=1−f1−dの関係があることを見ればs,tのこの性質は定理5からよくわかる。

定義 7 (閉等高線).

位相空間Xの閉集合からなる部分集合族{F⁢(d)}d∈DがXの閉等高線であるとは添字集合Dが[0,1]の稠密部分集合であり、更にa,b∈Dについて

a<b⟹F⁢(a)⊂Int⁢(F⁢(b))

を充たすことである。つまりF⁢(b)はF⁢(a)の閉近傍である。

閉等高線に対しては

vd={dx∈Int⁢(F⁢(d))1x∉Int⁢(F⁢(d))⁢wd={dx∉F⁢(d)0x∈F⁢(d)

と定義するとvdは上半連続で、wdは下半連続であり、

v:=infd∈Dvd,w:=supd∈Dwd

と定義するとv=wであり、これはXから[0,1]への連続関数になる。 {X∖F⁢(d)}d∈Dは逆向きの開等高線であり、この等高線に付随する定義6のsd,tdについてvd=sd,wd=tdの関係があることからv,wのこの性質は簡単にわかる。

定義 8 (逆向き閉等高線).

位相空間Xの開集合からなる部分集合族{F⁢(d)}d∈DがXの逆向き等閉高線であるとは添字集合Dが[0,1]の稠密部分集合であり、更にa,b∈Dについて

a<b⟹F⁢(b)⊂Int⁢(F⁢(a))

を充たすことである。つまりF⁢(a)はF⁢(b)の閉近傍である。

id={dx∉F⁢(d)1x∈F⁢(d)jd={dx∈Int⁢(F⁢(d))0x∉Int⁢(F⁢(d))

と定義するとidは上半連続で、jdは下半連続であり、

i:=infd∈Did,j:=supd∈Djd

と定義するとi=jであり、これはXから[0,1]への連続関数になる。 逆向きの閉等高線に対しては、E={1−d|d∈D}として、e∈EについてL⁢(e)=F⁢(1−e)と置けば{L⁢(e)}e∈Eは閉等高線になる。 この等高線に付随する定義7のvd,wdについてjd=1−v1−d,id=1−w1−dの関係があることを見ればこのi,jの性質は簡単にわかる。

2 応用

定理 9 (ウリゾーンの補題).

(X,𝔒)を正規空間とし、F,Gをその互いに素な2つの閉集合とすると連続関数f:X→[0,1]が存在し

f|F=1,f|G=0

を充す。 つまり互いに素な2つの閉集合は関数で分離できる。

証明.

F,GをXの交わらない2つの閉集合の任意の組とする。 ウリゾーンの補題を示すにはまず、

G⊂⋂d∈DV⁢(d),F⊂X∖⋃d∈DV⁢(d)

を充たす開等高線{V⁢(d)}d∈Dの存在を示そう。

まずG⊂X\Fと正規性から

G⊂O⊂CL⁢(O)⊂X\F

となるOが存在する。このような開集合のひとつOとX\FをそれぞれV⁢(1),V⁢(0)とする。
そして再び正規性を用いて

CL⁢(V⁢(0))⊂P⊂CL⁢(P)⊂V⁢(1)

となるOのひとつをV⁢(1/2)として採用する。
さらにV⁢(1/4),V⁢(3/4)を正規性から存在が保証される

CL⁢(V⁢(0))⊂A⊂CL⁢(A)⊂V⁢(1/2)

となるAのひとつをV⁢(1/4)と定義し、

CL⁢(V⁢(1/2))⊂B⊂CL⁢(B)⊂V⁢(1)

となるBのひとつをV⁢(3/4)として定義する。・・・ということを繰り返し開集合の族{V⁢(d)}d∈Dが出来あがる。

この証明で十分な人はこれで証明が終わるが、より正確には Dk={m2n| 0≤n≤k,m=0,1,⋯⁢2n}対する帰納法と選択公理を用いる。上で述べた方法を細かく正当化するだけだが、一応せっかくなので証明を付ける。それに当たり次の形の選択公理を使おう。
選択公理: 非空な集合を要素に持つ空でない集合族{Xλ}λ∈Λに対し、あるC⊂⋃λ∈ΛXλが存在して

∀λ∈Λ⁢(C∩Xλ⁢は⁢一⁢元⁢集⁢合)

を充たす。
 
さて、𝔖⁢=⁢{(A,B)|A,B∈𝔒,CL⁢(A)⊂B}と定義し、(A,B)∈𝔖に対し、 𝔄⁢(A,B)={C∈𝔒|A¯⊂C⊂B}と定義すると正規性から𝔄⁢(A,B)≠∅がわかる。 そして集合族 {𝔄⁢(A,B)}(A,B)∈𝔖に対し選択公理を用いて、先の選択の条件を満たす集合Cを得る。 簡単のため𝔄⁢(A,B)∩C={C⁢(A,B)}と書くことにする。このCを用いて

a,b∈Dk,a<b⇒CL⁢(V⁢(a))⊂V⁢(b)

を充たす{V⁢(d)}d∈Dkを帰納的に構成していく。
k=0の時、D0={0,1}であるが、これに対して正規性から G⊂O⊂CL⁢(O)⊂X\FとなるOが存在するのでこのような開集合のひとつOをV1と定義し、V0=X\Fとする。この時もちろん

a,b∈D0⁢a<b⇒CL⁢(V⁢(a))⊂V⁢(b)

が成り立つ
そして

a,b∈Dk,a<b⇒CL⁢(V⁢(a))⊂V⁢(b)

を充たす{Vd}d∈Dkがk=nまで 定義されとしてk=n+1に対して構成する。 Dn+1\Dnの元は2⁢m+12n+1の形をしているので

V⁢(2⁢m+12n+1)=C⁢(V⁢(m2n),V⁢(m+12n))

とし、d∈Dnに対してはVdが既に定義されているのでこれをそのまま用いて、任意のd∈Dn+1に対してVdが定義され

a,b∈Dn+1,a<b⇒CL⁢(V⁢(a))⊂V⁢(b)

を充たす。 このようにして任意のnに対し {V⁢(d)}d∈Dnが定義され{V⁢(r)}r∈Dn⊂{V⁢(r)}r∈Dn+1を充たす。 D=⋃n∈ℕDnなので、これにより{V⁢(d)}d∈Dが定義され

a,b∈D,a<b⇒CL⁢(V⁢(a))⊂V⁢(b)

を充たす。

そして定理5にある{fd}d∈D,{gd}d∈Dを考える。

fd={dx∈V⁢(d)1x∈X\V⁢(d)gd={dx∈X\CL⁢(V⁢(d))0x∈CL⁢(V⁢(d))

と

f=infd∈Dfd,g=supd∈Dgd

に注意しよう。さて

∀d∈D⁢G⊂CL⁢(V⁢(d))

が成立することとgdの定義から

∀d∈D⁢x∈G⇒gd⁢(x)=0

がわかり、 よって

g|G=f|G=0

となる。そして

∀d∈D⁢F⊂X\V⁢(d)

が成立することとfdの定義から

∀d∈D⁢x∈F⇒fd⁢(x)=1

なので

f|F=g|F=1

となる。以上から

f|G=0⁢f|F=1

となり、定理5から欲しかった関数が得られた。 以上により、ウリゾーンの補題が証明された。 ∎

以下では等高線の方法を用いてティーチェの拡張定理を証明する。 以下で紹介する方法は基本的に[3]によるものだが、その証明にはギャップがある。 [2]も等高線の方法を用いており、ギャップもない。 [2]の方法で[3]の証明を修正したものを以下で展開する。 そのためにいくつか補題を用意する。

定義 10.

位相空間Xの2つの集合A,Bが分離的であるとは

C⁢L⁢(A)∩B=Ø,A∩C⁢L⁢(B)=Ø

を充たすことである。

定義 11.

位相空間の部分集合Sが、XのFσ集合であるとは、SがXの可算個の閉集合の和集合でかける時にいう。 また、Xの部分集合Sが、XのGδ集合であるとはSがXの可算個の開集合の共通部分で書ける時に言う。

正規空間において、ふたつの閉集合は分離できるが、一般に分離的なふたつのFσ集合を開集合で分離することができる。この性質は見かけ上は正規性よりも強いことを主張しているが、正規性と同値である。

命題 12.

Xを正規空間とし、A, BをXのふたつのFσ集合で、分離的なものとする。このときXの開集合U, Vが存在してU∩V=Øおよび、A⊂U, B⊂Vを充す。

証明.

Xの閉集合からなるふたつの可算族{Si}, {Ti}はSi⊂Si+1, Ti⊂Ti+1および

A=⋃iSi,B=⋃iTi

を充すとする。 開集合の可算族{Ui}, {Vi}を以下を充すものとする。

(1) Si⊂Ui⊂CL⁢(Ui)⊂X∖(CL⁢(B)∪⋃k<iCL⁢(Vk)),
(2) Ti⊂Vi⊂CL⁢(Vi)⊂X∖(CL⁢(A)∪⋃k<iCL⁢(Uk)),
(3) CL⁢(Ui)∩CL⁢(Vi)=Ø

このような族の存在は、A, Bの分離性と空間の正規性、そして帰納法によりわかる。 任意のi,jについて、

Ui∩Vj=Ø

に注意しよう。 そして、

U=⋃iUi,V=⋃iVi

とするとA⊂U, B⊂V でU∩V=Øなので、これで命題が証明された。 ∎

ティーチェの拡張定理を等高線の概念を用いて証明するために 閉部分集合上の等高線を空間全体に拡張できることを証明する。

補題 13.

A,Bを正規空間Xの閉集合とし、UをBのXに於ける開近傍とする。そしてC⊂AをAに於けるA∩Bの閉近傍とし、C⊂U∩Aと仮定する。この時BのXに於ける閉近傍Zが存在してZ⊂UとZ∩A=Cを充たす。

証明.

まずXの正規性からBの閉近傍Lが存在してL⊂Uを充たす。そして K=CLX⁢(A∖C)とするとCはA∩BのAに於ける閉近傍であるのでK∩B=Øである。よって再び正規性からBのXに於ける閉近傍Hが存在してK∩H=Øを充たす。K∩H=ØからH∩A⊂Cとなる。よってZ=(H∩L)∪Cと置けば求める性質を全て持つ。 ∎

補題 14.

A,Bを正規空間Xの閉集合とし、UをBのXに於ける開近傍とする。そしてXの部分集合D,Cは以下を満たすとする。

  1. 1.

    D⊂C

  2. 2.

    DはAのFσな開集合

  3. 3.

    CはAのGδな閉集合

  4. 4.

    A∖CとDは(Xの中で)分離的である。

  5. 5.

    A∩B⊂D

  6. 6.

    C⊂U∩A

この時BのXに於ける閉近傍Zが存在してZ⊂UとZ∩A=Cおよび、D⊂Int⁢(Z)を充たす。

証明.

AはXの閉集合なので、A∖CとDはXの中でもFσになっていることに注意しよう。 D⊂C⊂Uなので、(X∖U)∪(A∖C)とDはXの中で分離的なふたつのFσ集合であることに注意しよう。 すると、命題12から、Xの開集合Gが存在して、

D⊂G
((X∖U)∪(A∖C))∩CLX⁢(G)=Ø

を充す。 特に2番目の条件から CLX⁢(G)⊂U と CLX⁢(G)∩A⊂C がわかる。 また、Cに対して先の補題を用いて、Bの閉近傍Pで、 P∩A=C とP⊂Uを充すものが存在する。 そこでZ=P∪CLX⁢(G)と置く。するとこれは求める条件を全て充す。 まず、ZがZ⊂Uを充すBの閉近傍であることは明らかである。 また、

D⊂G⊂Int⁢(Z)

であり、

Z∩A=(P∩A)∪(CLX⁢(G)∩A)=C

もわかる。 ∎

定理 15 (Tietzeの拡張定理その1).

正規空間Xの閉集合A上の任意の連続関数f:A→[0,1]に対してX上の連続関数g:X→[0,1]が存在して

g|A=f

が成立する。

証明.

D={m2n|n∈ℕ∪0, 0≤m≤2n⁢m∈ℕ∪0}と置くとDは[0,1]で稠密である。d∈Dについて閉集合Ldと開集合Mdを

M⁢(d)=f−1⁢([0,d))={x∈A|f⁢(x)<d}
L⁢(d)=f−1⁢([0,d])={x∈A|f⁢(x)≤d}

と置き、以下

(1) F⁢(d)∩A=Ld
(2) M⁢(d)⊂Int⁢(Fd)
(3) a<b⟹Fa⊂Int⁢(F⁢(b))

を充たす{F⁢(d)}d∈Dを構成する。

まず、F⁢(0)=L⁢(0),F⁢(1)=Xと置く。そしてF⁢((k+1)⁢2−n)と F⁢(k⁢2−n)が既に構成されたとき、F⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)をF⁢(k⁢2−n)の閉近傍で

(1) A∩F⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)=L⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)
(2) M⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)⊂Int⁢(F⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1))
(3) F⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)⊂Int⁢(F⁢((k+1)⁢2−n))

を充たすものとして構成する。 そのために補題14を用いる。 まず、 M⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)⊂L⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)である。 そして、定義からM⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)はAのFσな開集合であり、L⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)はAのGδな開集合である。 次にM⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)とA∖L⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)がXの分離的であることを示そう。AがXの閉集合であることからL⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)もそうであり、

CLX⁢(M⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1))⊂L⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)=f−1⁢([0,(2⁢k+1)⁢2−n−1])

が成り立つ。 A∖L⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)=f−1⁢(((2⁢k+1)⁢2−n−1,1]) に注意すると、同様にして

CLX⁢(A∖L⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1))⊂f−1⁢([(2⁢k+1)⁢2−n−1,1])

がわかる。これらのことから、M⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)とL⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)が Xの中で分離的であることがわかる。 定義から直ちに

F⁢(k⁢2−n)∩A=L⁢(k⁢2−n)⊂M⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)

がわかる。 そして、帰納法の仮定から、 M⁢((k+1)⁢2−n)⊂Int⁢(F⁢((k+1)⁢2−n))なので

L⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)⊂M⁢((k+1)⁢2−n)⊂Int⁢(F⁢((k+1)⁢2−n))

である。 以上から、A, F⁢(k⁢2−n), L⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1), M⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)が補題14の仮定を満たすので、先に言ったF⁢((2⁢k+1)⁢2−n−1)の存在がわかる。 こうして閉等高線{F⁢(d)}d∈Dが得られた。111厳密にやりたいなら、ウリゾーンの補題の証明と同じく選択公理を適用して帰納的に構成していけば良い。このとき定義7の連続関数v(=w)についてv|A=fであることを示そう。

まず、

vd={dx∈Int⁢(F⁢(d))1x∉Int⁢(F⁢(d))⁢wd={dx∉F⁢(d)0x∈F⁢(d)

および

v:=infd∈Dvd,w:=supd∈Dwd

と定義されていてv=wであることを思い出そう。 任意のε>0と任意のx∈Aを与え、f⁢(x)=rと置く。 するとDの稠密性からr−ε<d<rとなるd∈Dが存在し、x∉L⁢(d)なので特にx∉F⁢(d)であり、wd⁢(x)=dが成り立つ。 よってr−ε<d≤w⁢(x)が成り立つ。 εの任意性からr≤w⁢(x)である。逆向きの不等号を示そう。ε>0を任意にあたえ再びDの稠密性からr<e<d<r+εとなるd,e∈Dをとる。 すると、L⁢(e)の定義とr<eからx∈L⁢(e)⊂F⁢(e)であり、そしてe<dであるからx∈Int⁢(F⁢(d))となる。よってvd⁢(x)=dとなり、 v⁢(x)≤d<r+εとなるので、εの任意性からw⁢(x)=v⁢(x)≤rとなる。以上からx∈Aについてv⁢(x)=f⁢(x)となるので結局

v|A=f

となり、v:X→[0,1]は連続関数であるから定理の証明が終わる。 ∎

注意.

拡張定理に於いてfのコドメインが[0,1]であることは本質的ではない。ℝの閉区間であれば常に拡張定理が成り立つ。ℝの任意の閉区間Iと[0,1]の間に同相写像があることからこのことは明らかであろう。この事実はいかの定理でも断りなく用いられる。

定理 16 (Tietzeの拡張定理その2).

正規空間Xの閉集合A上の任意の連続関数f:A→ℝに対してX上の連続関数g:X→ℝが存在して

g|A=f

が成立する。

証明.

h:ℝ→(−1,1)を同相写像とする。222同相写像ならばなんでも良い。するとh∘fはAから(−1,1)への連続関数だが、Aから[−1,1]への連続関数と考える事もできる。そう考えたときに上の拡張定理を用いてh∘fのXへの拡張F:X→[−1,1]が得られる。このときx∈AについてF⁢(x)∈(−1,1)に注意するとL=F−1⁢({−1,1})についてA∩L=Øである。よってウリゾーンの補題から連続関数ϕ:X→[0,1]が存在して

ϕ|A=1,ϕ|L=0

を充たす。すると連続関数G=ϕ×Fと置けば333関数の各値で、ℝの掛け算を行なっているということである。ϕの定義から−1と1の値を取らないのでこれは連続関数 G:X→(−1,1)と考える事が出来る。そしてg=h−1∘Gと置けばgはfの拡張となっている。 ∎

3 正規性の特徴付け

定義 17.

位相空間Xについて、F, Gをその互いに素な任意の2つの閉集合とする このとき連続関数f:X→[0,1]が存在し

f|F=1,f|G=0

を充すとき、Xは条件 (U)を充すという。

定義 18.

位相空間Xについて、任意のXの閉集合AとA上の連続関数f:A→[0,1]に対して、連続関数g:X→[0,1]が存在して

g|A=f

を充たすときXは条件(T)を充たすという。

定義 19.

位相空間Xについて、任意のXの閉集合AとA上の連続関数f:A→ℝに対して、連続関数g:X→ℝが存在して

g|A=f

を充たすときXは条件(R)を充たすという。

定理 20.

位相空間Xについて以下は同値である。

(1) 正規性
(2) 条件(U)を充たす
(3) 条件(T)を充たす
(4) 条件(R)を充たす
証明.

(1)⟹(2),(1)⟹(3),(1)⟹(4)は先のセクションで示されている。

(3)を仮定したとき互いに交わらない2つの閉集合E,Fについて関数f:E∪F→[0,1]をE上で0、F上で1の値を取る関数とすればこれは連続関数で(3)を用いれば連続関数g:X→[0,1]でg|E≡0,g|F≡1となる関数が得られるので(2)が成り立つ。

(4)を仮定した時には上の(3)⟹(2)と同じ議論だが、最後のgのコドメインが[0,1]か分からないが、min⁡(1,max⁡(0,g))という風に修正すれば(4)⟹(2)がわかる。

以上から(3)⟹(2),(4)⟹(2)が得られたので最後に(2)⟹(1)を示せば良い

交わらない2つの閉集合E,Fについてf|E≡0,f|F≡1となる連続関数f:X→[0,1]について、U=f−1⁢([0,1/2)),V=f−1⁢((1/2,1])を考えればU,Vは互いに交わらない開集合でE⊂U,F⊂Vなので結局(2)⟹(1)が成り立つ。 ∎

定義 21 (ℵ0-族正規性もしくは可算族正規性).

位相空間Xがℵ0-族正規であるとはXの閉集合からなる任意の可算で疎な族𝒜に対してA⊂UAとなる開集合の族{UA|A∈𝒜}が存在して

A≠B⟹UA∩UB=Ø

が成り立つことである。444T1は要請しないことにする明らかにℵ0-族正規空間は正規である。

定理 22.

位相空間Xに於いて正規性とℵ0-族正規性は同値

証明.

正規空間がℵ0-族正規であることを示せばいい。{An}n∈ℕを閉集合からなる疎な族とする。ここで添字付についてn≠m⟹An≠Amである。

さて、

f:⋃n∈ℕAn→ℝ

を

f|An=2⁢n

と定義しよう。n,mが異なればAnとAmは交わらないのでこの定義はwell-definedであり、{An}n∈ℕが疎であることから⋃n∈ℕAnは閉集合なのでティーチェの拡張定理その2からfのXへの連続的な拡張fが存在する。そして

Un=f−1⁢((2⁢n−1,2⁢n+1))

と置けばAn⊂Unで{Un}n∈ℕは互いに交わらないので正規空間Xがℵ0-族正規であることがわかる。 ∎

References

  • [1] 松坂和夫,集合・位相入門,岩波書店,1968
  • [2] E. Bonan, Sur un lemme adapté au théorème de Tietze-Urysohn, C. R. Acad. Sci. Paris, Ser. A., 270 (1970), 1226-1228 .
  • [3] E. Ossa,A simple proof of the Tietze-Urysohn extension theorem, Arch. Math., vol.71(1998), pp331-332.
  • [4] W.Rudin,Real and Complex Analysis second edition,McGraw-Hill, 1974