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固有写像と完全写像に関係する反例のLaTeXML自動変換版です。自動検査には合格していますが、元PDFとの目視比較は未実施です。正本はPDF・TeXです。

固有写像と完全写像の反例

ナンブキトラ電波通信
HTML変換日:2026年7月26日
定義 1 (固有写像).

連続写像f:X→Yが固有、または固有写像であるとはYの任意のコンパクト集合Kについて f−1⁢(K)がXのコンパクト集合となること。

定義 2.

連続関数f:X→Yが次の条件を充たすときfを完全写像と呼ぶ111完全写像に全射性を仮定する流儀もある。

任意のy∈Yについてf−1⁢(y)はXのコンパクト集合かつfは閉写像

次の事実がある。

事実 3.

完全写像f:X→Yは固有写像

この事実の逆が成り立たない例をこの文章では紹介する。

実数ℝ上にx∈ℝ∖{0}の近傍として{x}を与え、0∈ℝについては0を含む補可算な集合つまりx∈Bでかつℝ∖Bが高々可算となるような集合を全体を基本近傍系として与えると、きちんと位相を生成する。この位相空間を

(ℝ,ℰ)

と書くことにする。

(ℝ,ℰ)のコンパクト集合を同定しよう。つまりこの空間のコンパクト集合Kは必ず有限集合になることを示そう。そんなに難しくはない。

コンパクト集合Kが無限集合であるとしよう。すると 0∉Kの時は{{x}}x∈Kという開被覆を考えれば矛盾が導かれる。0∈Kの時は0の近傍BとK内の可算集合{xn}n∈ℕを適当に選んで

K∖B={xn}n∈ℕ

とできるので結局矛盾する。よって(ℝ,ℰ)のコンパクト集合Kは有限集合でなければならない。また、有限集合は必ずコンパクトなので(ℝ,ℰ)のコンパクト集合全体は有限集合全体に一致する。

そしてℝに離散位相を定義した位相を(ℝ,𝒯∞)とする。もちろんこの空間のコンパクト空間全体は有限集合全体と一致する。

写像f:(ℝ,𝒯∞)→(ℝ,ℰ)を

f⁢(x)=x

として定義する。このときこの写像は定義域が離散空間であるから明らかに連続である。この写像が固有であるが完全でないことを示そう。

まず(ℝ,ℰ)のコンパクト集合Kは有限集合なのでf−1⁢(K)も有限集合であり、fが固有であることがわかる。

次にfが完全でないことを示そう。そのためにfが閉写像でない事を示すのである。A=ℝ∖{0}は(ℝ,𝒯∞)の閉集合だが、(ℝ,ℰ)の閉集合ではないことからfが閉写像でない事は明らかである。

注意.

(ℝ,ℰ)の0の近傍の定め方から、(ℝ,ℰ)の非可算集合は必ず0を触点に持つ。 わざわざℝに位相を入れたが、非加算集合なら別にℝでなくともℰは定義できる。

ℰの位相の定め方は離散空間の1点コンパクト化の無限遠点の近傍を補可算にした構成である。