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距離化可能定理part1:Alexandroff-Urysohn-TukeyのLaTeXML自動変換版です。自動検査には合格していますが、元PDFとの目視比較は未実施です。正本はPDF・TeXです。

距離化可能定理:Alexandroff-Urysohn-Tukey

一色三良(concious77)
HTML変換日:2026年7月26日

この文章では所謂Alexandroff-Urysohn-Tukeyの距離化可能定理を証明する。そのためにまず最初のセクションでは被覆についての基本的な事項を紹介する。

正規被覆

定義 1 (星型集合).

集合Xとその部分集合族𝒜、及びS⊂Xについて

 St⁢(S,𝒜)=⋃{A|A∈𝒜,S∩A≠Ø}

を𝒜によるSを中心とする星型集合という。

定義 2 (∗とΔ).

Xの被覆𝒰について𝒰∗を

𝒰∗={ St⁢(S,𝒰)|S∈𝒰}

と定義し、そして 𝒰Δを

𝒰Δ={ St⁢(x,𝒰)|x∈X}

と定義する。

定義 3 (細分).

𝒜,ℬ⁢を集合Xの部分集合の族とする。このとき𝒜がℬの細分であるとは

∀B∈ℬ⁢∃A∈𝒜⁢A⊂B

となることである。

𝒜がℬの細分であるとき

𝒜≺ℬ

と書くことにしよう。

定義 4 (星型細分、Δ細分).

集合Xの部分集合族𝒜,ℬについて𝒜がℬの星型細分であるとは

𝒜∗≺ℬ

となることである。

また、集合Xの部分集合族𝒜,ℬについて𝒜がℬのΔ細分、又は重心細分であるとは

𝒜Δ≺ℬ
補題 5.

A⊂B,𝒰≺𝒱ならば

 St⁢(A,𝒰)⊂ St⁢(B,𝒱)
証明.

まず St⁢(A,𝒰)⊂ St⁢(B,𝒰)は明らかである。次に St⁢(B,𝒰)⊂ St⁢(B,𝒱)を示そうとするのだが、細分なので明らかである。よって証明は終わる。 ∎

補題 6.

Xの被覆𝒜,ℬについて

𝒜Δ≺ℬ⟹𝒜≺ℬ
証明.

自明 ∎

補題 7.

Xの被覆𝒜,ℬについて

𝒜∗≺ℬ⟹𝒜Δ≺ℬ
証明.

補題5から分かる。 ∎

補題 8.

Xの被覆𝒜,ℬ,𝒞

𝒜Δ≺ℬ,ℬΔ≺𝒞⟹𝒜∗≺𝒞
証明.

A∈𝒜を任意に与える。a∈Aを適当に取る。V∈𝒜,A∩V≠Øとすると𝒜Δ≺ℬよりあるB∈ℬが存在し、A∪V⊂Bとなる。このときa∈Bでもある。よってこれから

 St⁢(A,𝒜)⊂ St⁢(a,ℬ)

そしてℬΔ≺𝒞なので𝒜∗≺𝒞となることはすぐ分かる。 ∎

補題 9.

Xの部分集合SとXの被覆𝒜,ℬについて 𝒜∗≺ℬのとき

 St⁢( St⁢(S,𝒜),𝒜)⊂ St⁢(S,ℬ)

が成り立つ。

証明.

明らか ∎

定義 10 (正規列、正規被覆).

Xの開被覆の列{𝒰n}n∈ℤ≥0が正規列であるとは任意のnについて

𝒰n+1Δ≺𝒰n

となること。

また、開被覆𝒱が正規被覆であるとは正規列{𝒰n}n∈ℤ≥0が存在して

𝒰0≺𝒱

となること。

補題 11.

Xの被覆𝒱が正規被覆であることと、被覆の列{𝒰n}n∈ℤ≥0が存在して

𝒰n+1∗≺𝒰n,𝒰0≺𝒱

を充たすことは同値である。

証明.

補題7,8からすぐに分かる。 ∎

補題 12.

位相空間Xの開被覆𝒰と集合Aと開集合Uについて

 St⁢(A,𝒰)⊂U

が成り立つならばCL⁢(A)⊂Uとなる。

証明.

a∈CL⁢(A)を任意に与えると𝒰が被覆であることからV∈𝒜,a∈VとなるVが存在するが、aはAの触点なのでV∩A≠Øである。よってV⊂ St⁢(A,𝒰)⊂Uである。故にa∈Uである。以上からCL⁢(A)⊂Uが分かる。 ∎

定理 13 (Stone).

位相空間Xの正規被覆には局所有限な開細分被覆が存在する。

証明.

𝒰を正規被覆とした時、補題11より星型細分の列が存在するが、適当に番号を付け替えることによって開被覆𝒱と開被覆列{𝒜n}n∈ℤ≥0が存在して

𝒜0≺𝒱,𝒱∗≺𝒰

でかつ

𝒜n+1∗≺𝒜n

を充たす。

そして帰納的に

ℬ1=𝒜1,ℬ2={ St⁢(V,𝒜1)|V∈ℬ1},…,ℬn={ St⁢(V,𝒜n)|V∈ℬn−1},…

と置く。この時各n∈ℤ+について{ St⁢(V,𝒜n)|V∈ℬn}は𝒜0の細分である。このことを帰納法によって証明しよう。まずn=1の時は明らかである。次にn=kまでは成り立っているとしてn=k+1のとき、V∈ℬk+1を与えU= St⁢(V,𝒜k+1)を考える。この時Vはℬk+1の作り方からS∈ℬkを用いてV= St⁢(S,𝒜k+1)と表される。そして𝒜k+1∗≺𝒜kなので

U= St⁢(V,𝒜k+1)= St⁢( St⁢(S,𝒜k+1),𝒜k+1)⊂ St⁢(S,𝒜k)

なので帰納法の仮定からk+1の場合も成り立つ。

以上のことから特に各ℬnは𝒜0の細分である。

次にXを整列させてその順序を<とする。そして(n,x)∈ℤ+×Xについて

Cn⁢(x)= St⁢(x,ℬn)∖⋃y<x St⁢(y,ℬn+1)

と定義する。この時𝒞={Cn⁢(x)|n∈ℤ+,x∈X}はXの被覆となる。実際p∈Xについて

P={z∈X|p∈⋃n∈ℤ+ St⁢(z,ℬn)}

とを考えるとp∈PなのでPは空では無いので最小限yが存在する。yについてあるnが存在してp∈ St⁢(y,ℬn)となる。このようなnについてp∈Cn⁢(y)となる。よって𝒞は被覆となる。

次の主張が成り立つ。

主張 (a).

n∈ℤ+を固定したとき、U∈𝒜n+1は{Cn⁢(x)|x∈X}の高々1個の元としか交わらない

[主張(a)の証明]

いま、U∩Cn⁢(x)≠Øとしよう。するとx∈VとなるV∈ℬnが存在してU∩V≠Øよって

x∈U∪V⊂ St⁢(V,𝒜n+1)∈ℬn+1

故にU⊂ St⁢(x,ℬn+1)よって𝒞n⁢(x)の作り方からxをU∩Cn⁢(x)≠Øとなる最小の元とすればUはCn⁢(x)以外の{Cn⁢(x)|x∈X}の元と交わらない。

[主張(a)の証明終わり]

また、Cn⁢(x)⊂ St⁢(x,ℬn)であり、ℬn≺𝒜0でかつ𝒜0∗≺𝒱なので𝒞≺𝒱である。111証明が終わったあと詳しく説明する

さて(n,x)∈ℤ+×Xについて

Dn⁢(x)= St⁢(Cn⁢(x),𝒜n+3),En⁢(x)= St⁢(Cn⁢(x),𝒜n+2)

と定義し、

𝒟={Dn⁢(x)|(n,x)∈ℤ+×X},ℰ={En⁢(x)|(n,x)∈ℤ+×X}

と定義する。

このとき

 St⁢(Dn⁢(x),𝒜u+3)= St⁢( St⁢(Cn⁢(x),𝒜n+3),𝒜n+3)⊂ St⁢(Cn⁢(x),An+2)=En⁢(x)

が成り立つので補題12からCL⁢(Dn⁢(x))⊂En⁢(x)である。

ここで次の主張が成り立つ。

主張 (b).

n∈ℤ+を固定するとU∈𝒜n+2は{En⁢(x)|x∈X}の高々1個の元とし交わらない。特に{En⁢(x)|x∈X}は疎である。

[主張(b)の証明]

U∩En⁢(x)≠ØとするとEn⁢(x)の定義からV∩Cn⁢(x)≠Ø,U∩V≠ØとなるV∈𝒜n+2が存在するが、𝒰n+2∗≺𝒰n+1なのでU∪V⊂OとなるO∈𝒜n+1が存在し、主張(a)からOはCn⁢(x)以外の{Cn⁢(x)|x∈X}の元と交わらないので、Uは{En⁢(x)|x∈X}の高々1個の元としか交わらない。

[主張(b)の証明終わり]

また、Dn⁢(x)⊂En⁢(x)なので主張(b)からnを固定すると{Dn⁢(x)|x∈X}は疎である。よって

Fn=⋃x∈XCL⁢(En⁢(x))

は閉集合である。

そして𝒞≺𝒱,𝒜n≺𝒱で𝒱∗≺𝒰なのでℰ≺𝒰である。222証明が終わった後詳しく説明する。

以上を元に(n,x)∈ℤ+×Xについて

Wn⁢(x)=En⁢(x)∖⋃i<nFi

と定義する。𝒲={Wn⁢(x)|(n,x)∈ℤ+×X}が𝒰の局所有限な開細分被覆であることを示そう。

まずℰ≺𝒰であり、Wn⁢(x)⊂En⁢(x)なので𝒲≺𝒰である。

次に𝒲が被覆であることを示そう。p∈Xを任意に与える。

∃x∈X⁢p∈CL⁢(Dn⁢(x))

を成り立たせる最小のnをmとするとy∈Xが存在してp∈CL⁢(Dm⁢(y))となり、mの最小性から
p∉F1∪F2∪⋯∪Fm−1で、かつp∈Em⁢(y)となる。よってp∈Wm⁢(y)なので𝒲はXの被覆となる。

最後に𝒲の局所有限性を示そう。p∈Xを任意に与える。するとp∈Ci⁢(y)となるCi⁢(y)∈𝒞が存在する。このとき

 St⁢(p,𝒜i+3)⊂Di⁢(y)

なので St⁢(p,𝒜i+3)⊂Fiよってk>iならば St⁢(p,𝒜i+3)はWk⁢(x)⁢(x∈X)と交わらない。

そしてk<iの時には𝒜i∗≺𝒜kであり、特に𝒜kΔ≺𝒜i なので St⁢(p,𝒜i+3)⊂Vkとなる Vk∈𝒜kが存在する。以上と主張(b)を踏まえるとp∈NとなるN∈𝒜i+3を適当に取れば、N⊂Vkなので Nは𝒲の高々i個の元としか交わらない。

これで証明が終わった。 ∎

注意 (証明の中で後で説明すると言った箇所).


[Cn⁢(x)⊂ St⁢(x,ℬn)であり、ℬn≺𝒜0で𝒜0∗≺𝒱なので𝒞≺𝒱である。]の説明:x∈MとなるM∈𝒜0を取ると補題5から

Cn⁢(x)⊂ St⁢(x,ℬn)⊂ St⁢(M,𝒜n)∈𝒜0∗

𝒜0∗≺𝒱なので St⁢(M,𝒜n)⊂OとなるO∈𝒱が存在するので結局

Cn⁢(x)⊂O

となるO∈𝒱が存在することになる。よって𝒞≺𝒱

[𝒞≺𝒱,𝒜n≺𝒱で𝒱∗≺𝒰なのでℰ≺𝒰である。]の説明: En⁢(x)= St⁢(Cn⁢(x),𝒜n+2)である。𝒞≺𝒱からCn⁢(x)⊂VとなるV∈𝒱が存在する。これと𝒜n+2≺𝒱と補題5から

En⁢(x)= St⁢(Cn⁢(x),𝒜n+2)⊂ St⁢(V,𝒱)∈𝒱∗

である。また、𝒱∗≺𝒰なので St⁢(V,𝒱)⊂OとなるO∈𝒰が存在するので結局

En⁢(x)⊂O

となるO∈𝒰が存在することになる。よってℰ≺𝒰

距離化可能定理:被覆

事実 14 (Bing-長田-Smirnovの距離化可能定理).

T3空間Xについて以下は同値

(1) Xは距離化可能
(2) Xはσ疎な開基を持つ
(3) Xはσ局所有限な開基を持つ
定理 15 (Alexandroff-Urysohn-Tukeyその0).

T1空間Xについて以下の条件は距離化可能性と同値。

Xの被覆の列{𝒰n}n∈ℕが存在し、各n∈ℕについて𝒰nは正規被覆であり、そして各x∈Xについて {S⁢(x,𝒰n)}n∈ℕがxの基本近傍系になる。

証明.

距離化可能性からこの条件が従うのは2−n近傍とかを考えれば分かる。逆を示そう。

まずXがT3である事を示そう。Cを閉集合としてp∉Cとし、nを

 St⁢(p,𝒰n)⊂X∖C

を成り立たせるものとする。この時𝒰nが正規被覆であることから𝒜Δ≺𝒰nとなる開被覆𝒜が存在する。そして

P= St⁢(p,𝒜),Q= St⁢(C,𝒜)

と置くとP∩Q=Øである。実際、P∩Q≠Øと仮定するとp∈N,C∩M≠Ø,N∩M≠ØとなるN,M∈𝒜が存在するが、x∈N∩Mについて𝒜Δ≺𝒰nより St⁢(x,𝒜)⊂OとなるO∈𝒰nが存在し、p∈O⊂ St⁢(p,𝒰n)でO∩C≠Øとなるが、 St⁢(p,𝒰n)⊂X∖Cに反する。以上からXはT3空間である。

さて距離化可能性を示そう。各𝒰nについて定理13から𝒱n≺𝒰nとなる局所有限開被覆𝒱nが存在する。このとき{ St⁢(x,𝒱n)}n∈ℕはxの基本近傍系になる。よってUを任意に与えると点p∈Uについてあるkが存在して St⁢(p,𝒱k)⊂Uとなる。故にp∈V∈UとなるV∈𝒱nが存在する。この事から⋃n∈ℕ𝒱nはXの開基になる。そして事実14からXは距離化可能である。 ∎

定理 16 (Alexandroff-Urysohn-Tukeyその1).

T1空間Xについて以下の条件は距離化可能性と同値。

Xの正規列{𝒰n}n∈ℕが存在し、各x∈Xについて {S⁢(x,𝒰n)}n∈ℕがxの基本近傍系になる。

証明.

正規列{𝒰n}n∈ℕに属する各々の𝒰mは正規被覆になるので先の定理から定理は明らかである。 ∎

References

  • [1] 森田紀一,位相空間論,岩波全書331,岩波書店1981
  • [2] J.Dugundji,Topology,William C Brown Pub ,1966
  • [3] A.H.Stone,Paracompactness and product spaces,Bull,Amer.Math Soc. 54(1948),977-982
  • [4] J.W.Tukey,Convergence and uniformity in topology,Annals of Mathematics Studies, no.2,Princeton,1940