距離化可能定理:Alexandroff-Urysohn-Tukey
この文章では所謂Alexandroff-Urysohn-Tukeyの距離化可能定理を証明する。そのためにまず最初のセクションでは被覆についての基本的な事項を紹介する。
正規被覆
定義 1 (星型集合).
集合とその部分集合族、及びについて
をによるを中心とする星型集合という。
定義 2 (と).
の被覆についてを
と定義し、そして を
と定義する。
定義 3 (細分).
集合の部分集合の族とする。このときがの細分であるとは
となることである。
がの細分であるとき
と書くことにしよう。
定義 4 (星型細分、細分).
集合の部分集合族についてがの星型細分であるとは
となることである。
また、集合の部分集合族についてがの細分、又は重心細分であるとは
補題 5.
ならば
証明.
まずは明らかである。次にを示そうとするのだが、細分なので明らかである。よって証明は終わる。 ∎
補題 6.
の被覆について
証明.
自明 ∎
補題 7.
の被覆について
証明.
補題5から分かる。 ∎
補題 8.
の被覆
証明.
を任意に与える。を適当に取る。とするとよりあるが存在し、となる。このときでもある。よってこれから
そしてなのでとなることはすぐ分かる。 ∎
補題 9.
の部分集合との被覆について のとき
が成り立つ。
証明.
明らか ∎
定義 10 (正規列、正規被覆).
の開被覆の列が正規列であるとは任意のについて
となること。
また、開被覆が正規被覆であるとは正規列が存在して
となること。
補題 11.
の被覆が正規被覆であることと、被覆の列が存在して
を充たすことは同値である。
補題 12.
位相空間の開被覆と集合と開集合について
が成り立つならばとなる。
証明.
を任意に与えるとが被覆であることからとなるが存在するが、はの触点なのでである。よってである。故にである。以上からが分かる。 ∎
定理 13 (Stone).
位相空間の正規被覆には局所有限な開細分被覆が存在する。
証明.
そして帰納的に
と置く。この時各についてはの細分である。このことを帰納法によって証明しよう。まずの時は明らかである。次にまでは成り立っているとしてのとき、を与えを考える。この時はの作り方からを用いてと表される。そしてなので
なので帰納法の仮定からの場合も成り立つ。
以上のことから特に各はの細分である。
次にを整列させてその順序をとする。そしてについて
と定義する。この時はの被覆となる。実際について
とを考えるとなのでは空では無いので最小限が存在する。についてあるが存在してとなる。このようなについてとなる。よっては被覆となる。
次の主張が成り立つ。
主張 (a).
を固定したとき、はの高々1個の元としか交わらない
[主張(a)の証明]
いま、としよう。するととなるが存在してよって
故によっての作り方からをとなる最小の元とすればは以外のの元と交わらない。
[主張(a)の証明終わり]
また、であり、でかつなのでである。111証明が終わったあと詳しく説明する
さてについて
と定義し、
と定義する。
ここで次の主張が成り立つ。
主張 (b).
を固定するとはの高々1個の元とし交わらない。特には疎である。
[主張(b)の証明]
とするとの定義からとなるが存在するが、なのでとなるが存在し、主張からは以外のの元と交わらないので、はの高々1個の元としか交わらない。
[主張(b)の証明終わり]
また、なので主張(b)からを固定するとは疎である。よって
は閉集合である。
そしてでなのでである。222証明が終わった後詳しく説明する。
以上を元にについて
と定義する。がの局所有限な開細分被覆であることを示そう。
まずであり、なのでである。
次にが被覆であることを示そう。を任意に与える。
を成り立たせる最小のをとするとが存在してとなり、の最小性から
で、かつとなる。よってなのではの被覆となる。
最後にの局所有限性を示そう。を任意に与える。するととなるが存在する。このとき
なのでよってならばはと交わらない。
そしての時にはであり、特に なのでとなる が存在する。以上と主張を踏まえるととなるを適当に取れば、なので はの高々個の元としか交わらない。
これで証明が終わった。 ∎
距離化可能定理:被覆
事実 14 (Bing-長田-Smirnovの距離化可能定理).
空間について以下は同値
| (1) | は距離化可能 | ||
| (2) | は疎な開基を持つ | ||
| (3) | は局所有限な開基を持つ |
定理 15 (Alexandroff-Urysohn-Tukeyその0).
空間について以下の条件は距離化可能性と同値。
の被覆の列が存在し、各については正規被覆であり、そして各について がの基本近傍系になる。
証明.
距離化可能性からこの条件が従うのは近傍とかを考えれば分かる。逆を示そう。
まずがである事を示そう。を閉集合としてとし、を
を成り立たせるものとする。この時が正規被覆であることからとなる開被覆が存在する。そして
と置くとである。実際、と仮定するととなるが存在するが、についてよりとなるが存在し、でとなるが、に反する。以上からは空間である。
定理 16 (Alexandroff-Urysohn-Tukeyその1).
空間について以下の条件は距離化可能性と同値。
の正規列が存在し、各について がの基本近傍系になる。
証明.
正規列に属する各々のは正規被覆になるので先の定理から定理は明らかである。 ∎
References
- [1] 森田紀一,位相空間論,岩波全書331,岩波書店1981
- [2] J.Dugundji,Topology,William C Brown Pub ,1966
- [3] A.H.Stone,Paracompactness and product spaces,Bull,Amer.Math Soc. 54(1948),977-982
- [4] J.W.Tukey,Convergence and uniformity in topology,Annals of Mathematics Studies, no.2,Princeton,1940