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リース・マルコフ・角谷の表現定理の証明(入射角16.225°の測度論入門2)のLaTeXML自動変換版です。自動検査には合格していますが、元PDFとの目視比較は未実施です。正本はPDF・TeXです。

リース-マルコフ-角谷の表現定理

電波通信
HTML変換日:2026年7月26日

この文章では局所コンパクトハウスドルフ空間上の実数値関数の線型形式と測度の関係を物語るリース-マルコフ-角谷の表現定理を証明する。この文章では位相空間(X,𝔒)のコンパクト集合全体を記号Cpt(X)で表すことにする。𝔒はもちろん開集合系である。また𝔓(X)Xの冪集合を表す。𝔓Pのフラクトゥールである。PowerのPである。またこの文章では、0を含めないものとする。つまり1から始まる。しかし証明のstepは1から始まる。悪しからず。
証明は全部で16stepあるが各stepひとつひとつは難しくない。証明のアイデアはシンプルだが、証明がやたらに長いだけである。長さに心を脅かされないで欲しい。

-1 位相からの準備

定義 1 (関数の台).

位相空間X上の実連続関数f:Xについて、fの台(サポート)suppf

suppf=CL{xX|f(x)0}

と定義する。閉包をとっていることに注意しよう。台は常に閉集合である。

台がコンパクトな関数はコンパクト台、もしくはコンパクトサポートを持つという。

定理 2 (局所コンパクトハウスドルフ空間上のウリゾーンの補題).

局所コンパクトハウスドルフ空間の互いに交わらないコンパクト集合Kと閉集合Fは実連続関数で分離できる。更にその連続関数のコドメインは[0,1]に取れる。

証明.

空間を1点コンパクト化してもわかるし、一般に完全正則空間はこの性質をもつことからもわかる。局所コンパクトハウスドルフ空間は完全正則なのである。もしくは以下で述べる局所コンパクトハウスドルフ空間のコンパクト集合上の単位の分割からもわかる。 ∎

以下の三つの単位の分割に関する定理はこの文章では証明しない。電波通信の該当する記事を見て欲しい。

定理 3 (コンパクトハウスドルフ空間上の単位の分割).

コンパクトハウスドルフ空間Xの有限開被覆{Uk}k=1,2,n について実連続関数の族{fk}k=1,2,nが存在して以下を充たす。

suppfkUk
0fk1
k=1nfk1

定理3の系として次のものがある。

系 4 (局所コンパクトハウスドルフ空間のコンパクト集合上の単位の分割).

局所コンパクトハウスドルフ空間Xのコンパクト集合Kと有限個の開集合の族 {Uk}k=1,2,n

Kk=1nUk

を充たしてるとする。このとき実連続関数の族{fk}k=1,2,nが存在して以下を充たす。

suppfkUk
0fk1
xKk=1nfk(x)1

このような関数族{fk}k=1,2,nを開被覆{Uk}k=1,2,nに従属するK上の単位の分割という。

また、系3を改良して単位の分割がコンパクト台を持つようにできる。

定理 5 (局所コンパクトハウスドルフ空間のコンパクト集合上のコンパクトサポートな単位の分割).

局所コンパクトハウスドルフ空間Xのコンパクト集合Kと有限個の開集合の族 {Uk}k=1,2,n

Kk=1nUk

を充たしてるとする。このとき実連続関数の族{fk}k=1,2,nが存在して以下を充たす。

suppfkはコンパクト
suppfkUk
0fk1
xKk=1nfk(x)1

このような関数族{fk}k=1,2,nを開被覆{Uk}k=1,2,nに従属するK上のコンパクト台を持つ単位の分割という。

0 定理と証明

定義 6.

局所コンパクトハウスドルフ空間上の台がコンパクトな実連続関数全体を

Cc(X)

で表す。更にCc(X)の元の内、常に正の値を取る関数全体を

Cc+(X)

と表す。 つまり

Cc+(X)={f|fCc(X)f0}

である。

定義 7 (正値線型形式).

Cc(X)上の線型形式とは線形写像

Λ:Cc(X)

のことであるが、線型形式のうち

fCc+(X)Λf0

を充たすΛX上の正値線型形式という。またgfならgf0から

Λg=Λ(f+gf)=Λf+Λ(gf)Λf

つまり

gfΛgΛf

となるから正値線型形式とは単調な線型形式と言っても良い

定義 8 (内部正則性、外部正則性).

(X,𝔒)が位相空間とし、更に 測度空間(X,𝔐,μ)𝔒𝔐を充たすとする。この仮定のもとXの可測集合E

μ(E)=inf{μ(V)|V𝔒EV}

を充たすときEは外部正則であるという。またE

μ(E)=sup{μ(K)|KCpt(X)KE}

を充たすときEは内部正則であるという。

定理 9 (Riesz-Markov-角谷の表現定理).

局所コンパクトハウスドルフ空間(X,𝔒)上の関数空間Cc(X)上のの正値線型形式Λが与えられたときこのΛに対してX上のσ加法族𝔐(X,𝔐)上の測度μが存在して以下を充たす。

(1) 𝔅(X)𝔐
(2) KCpt(X)μ(K)<
(3) E𝔐E
μ(E)=inf{μ(V)|V𝔒EV}
(4) E𝔐 が開集合、もしくはμ(E)< ならば Eは内部正則
μ(E)=sup{μ(K)|KCpt(X)KE}
(5) E𝔐FEμ(E)=0F𝔐(X,𝔐,μ)
(6) fCc(X)Λf=Xf𝑑μ

ここで𝔅(X)は位相空間(X,𝔒)のボレル集合族を表す。さらに(X,𝔐)上のこのような測度は一意的である。

証明

step -1 (準備).

証明で用いる関数や集合を定義する。まずfCc+(X)

fχV

を充たすとき

fV

と書くことにする。更にfCc+(X)

χKf

を充たすとき

Kf

と書くことにする。は普通の二項関係では無いことに注意しよう。ここでχAAの特性関数を表した。 さてV𝔒について

μ(V)=sup{Λf|fVfCc+(X)}

と定義する。μは写像μ:𝔒[0,+]であり、定義から明らかに

UVμ(U)μ(V)

である。次のようにしてμの定義域を𝔓(X)まで拡張する。E𝔓(X)について

μ(E)=inf{μ(V)|V𝔒EV}

と定義する。U,V𝔒,UVμ(U)μ(V)から一般のE𝔓(X)で定義されたμV𝔒に対するμ(V)とちゃんと両立している。また、定義からすぐわかるようにE,F𝔓(X)について

EFμ(E)μ(F)

となる。これをμ単調性と呼ぼう。 さて 加法族や測度すら構成していないが呼び名が無いのも不便なのでE𝔓(X)

μ(E)=sup{μ(K)|KCpt(X)KE}

を充たしてるとき内部正則性を持つ、または内部正則であると言うことにしよう。この語は正式には加法族を定義した後に使うべきだが、証明の中で呼び名がないのが本当に不便なだけである。そして

𝔐F={E𝔓(X)|μ(E)<E}

と定義し、この𝔐Fを用いて

𝔐={E𝔓(X)|KCpt(X)EK𝔐F}

と定義する。μの単調性からE𝔐のとき FEμ(E)=0ならばF𝔐がわかる。よって定理の(5)の性質が確認された。

step 0 (step 1のための主張:開集合に対する劣加法性).

{Vi}i𝔒のとき

μ(i=1Vi)i=1μ(Vi)
証明.

簡単のためにV=i=1Viと置く。 α<μ(V)となる任意のαを取るとμ(V)の定義から

α<Λf,fV

となるfCc+(X)が存在する。さてK=suppfと置くとKCpt(X)KVであるので{Vi}iの中から有限個選んでKを被覆できる。必要なら番号付けを変えて

Ki=1nVi

として良い。定理5[局所コンパクトハウスドルフ空間上の台がコンパクトな単位の分割]より{V1,V2.,Vn}に従属するK上の台がコンパクトな1の分割{hi}i=1,2,,nが存在する。これについてhiVi0f1から

f=i=1nhif

及び

hifhi

が成り立つので、hiViμ(Vi)の定義とを合わせて

α<Λf=i=1nΛ(hif)i=1nΛhii=1nμ(Vi)i=1μ(Vi)

を得る。つまり

α<i=1μ(Vi)

なのでαの任意性から

μ(V)i=1μ(Vi)

が分かる。 ∎

step 1 (劣加法性).

{Ei}in𝔓(X)に対し

μ(i=1Ei)i=1μ(Ei)
証明.

ある番号iについてμ(Ei)=ならばμの単調性から

μ(i=1Ei)=+,i=1μ(Ei)=+

となるので不等式は成立する。

iμ(Ei)<のときを考えよう。このときμ(Ei)の定義から 任意のε>0を与えたとき各iについて

μ(Vi)<μ(Ei)+ε2i

となる開集合Viが存在する。そして

i=1Eii=1Vi

なので先の主張とμの単調性から

μ(i=1Ei)μ(i=1Vi)i=1μ(Vi)i=1μ(Ei)+i=1ε2i=i=1μ(Ei)+ε

を得て、εは任意であったので結局

μ(i=1Ei)i=1μ(Ei)

が成り立つ。 ∎

step 2 (𝔐FCpt(X) の関係).

KCpt(X)μ(K)< が成り立つ。更にμ(K)=inf{Λf|fCc+(X)Kf}が成り立ち、 特にK𝔐Fが成り立つ。つまりCpt(X)𝔐F

証明.

fCc+(X)Kfとする。そして1<αを任意に与え

Vα={x| 1<αf(x)}

と定義するとVαは開集合でKVαとなる。ここでμ(Vα)を使いたいがためにgVαとなるgCc+(X)を任意に与えるともちろん

g(x)χVα(x)

であり、Vα1<αfなのでχVα<αfが成り立つので

xXg(x)<αf(x)

を得る。よって

ΛgΛ(αf)=αΛf

を得る。そしてgは任意だったので、μの単調性と合わせて

μ(K)μ(Vα)=sup{Λg|gCc+(X),gVα}αΛf

が分かる。 ゆえに任意のα(1,+)について

μ(K)αΛf

が成り立ち、α1とすれば

μ(K)Λf

を得て、Λf<なので、μ(K)<ということが分かった。

さて、μ(K)は有限の値であることがわかったのでε>0を任意に与えたときμの定義から

μ(V)<μ(K)+ε,KV

となる開集合Vが存在する。ウリゾーンの補題の補題から KfVとなるfが存在するが、μ(V)の定義から

Λfμ(V)<μ(K)+ε

となる。結局

ε>0fCc+(X)(Kf)(Λf<μ(K)+ε)

が成立するが、これはつまり

μ(K)=inf{Λf|fCc+(X)Kf}

が成り立つということである。 ∎

step 3 (開集合の内部正則性).

V𝔒ならばVは内部正則である。よって特にμ(V)<ならばV𝔐F

証明.

α<μ(V)となる任意のαを与えるとfCc+(X)が存在して

fV,α<Λfμ(V)

となる。さてK=suppfと置く。このときKgとなる任意のgCc+(X)について fgなので

ΛfΛg

そしてKgとなるgで下限を取ると先のstep2[𝔐FCpt(X)の関係]より

μ(K)=inf{Λg|gCc+(X)Kg}

なので

α<Λfμ(K)

つまり

α<μ(K)

が成り立つ。そして αは任意でKVであったので結局

μ(V)=sup{μ(K)|KCpt(X),KV}

が成立する。 ∎

step 4 (step 5のための主張).

K1,K2Cpt(X)が互いに素なとき

μ(K1K2)=μ(K1)+μ(K2)

が成立する。

証明.

step1[劣加法性]より

μ(K1K2)μ(K1)+μ(K2)

である。 以下逆向きの評価を示す。K=K1K2と置き、step2[𝔐FCpt(X)の関係]を踏まえてKfとなる任意のfCc+(X)を取る。K1K2=Øと定理2[ウリゾーンの補題]から連続関数g:X[0,1]が存在して

g|K11,g|K20,gCc+(X)

を充たす。このgを用いると

f=gf+(1g)f,K1gf,K2(1g)f

となり、fがコンパクト台を持つことから、gf(1g)fもコンパクト台を持つ。そしてstep2[𝔐FCpt(X)の関係]より

Λf=Λ(gf)+Λ((1g)f)μ(K1)+μ(K2)

つまり

Λfμ(K1)+μ(K2)

であり、fの任意性と、再びstep2[𝔐FCpt(X)の関係]から

μ(K)μ(K1)+μ(K2)

が成り立つ。 ∎

step 5 (𝔐Fでの完全加法性).

{Ei}𝔐Fが互いに素な族のとき

μ(iEi)=i=1μ(Ei)

が成り立つ。そして特にμ(iEi)<ならばiEi𝔐Fである。

証明.

μ(Ei)<に注意しよう。まずEi𝔐Fなので任意のε>0を与えると、内部正則性から各Ei毎に

HiEiμ(Hi)>μ(Ei)ε2i

となるHiCpt(X)が存在する。{Ei}が互いに素なので{Hi}も互いに素で Kn=i=1nHiと置くと先のstep4を繰り返し用いて

μ(Kn)=i=1nμ(Hi)

を得る。さてKnEなので、μの単調性から

μ(E)μ(Kn)=i=1nμ(Hi)>i=1nμ(Ei)i=1nε2i>i=1nμ(Ei)ε

つまり

μ(E)i=1nμ(Ei)ε

が任意のnで成り立つ。 εは任意なので

μ(E)i=1nμ(Ei)

が任意のnで成り立つ。そして nとして

μ(E)i=1μ(Ei)

を得る。 逆向きの不等式はstep1[劣加法性]から得られるので結局

μ(E)=i=1μ(Ei)

が得られてこのstep5の前半が示された。以下後半を示す。

μ(E)<ならば

μ(E)=i=1μ(Ei)=limni=1nμ(Ei)

より、任意にε>0を与えたときに番号を十分大きく取れば,

μ(E)<i=1nμ(Ei)+ε<μ(Kn)+2ε

111μ(E)=ならばこの不等式は成り立たないKnEかつ、Knはコンパクトなので結局

μ(E)=sup{μ(K)|KCpt(X)KE}

が得られる。よってE𝔐Fとなる。 ∎

step 6 (内側と外側からの近似).

以下は同値

(1) E𝔐F
(2) ε>0KCpt(X)V𝔒(KEV)(μ(VK)<ε)
証明.

[(1)(2)]

μ(E)の定義からε2に対してEVとなるV𝔒が存在して

μ(V)ε2<μ(E)

を充たす。ここでμ(V)<に注意せよ。そしてE𝔐Fから内部正則性によりε2に対してKEとなるKCpt(X)が存在して

μ(E)<μ(K)+ε2

を充たす。KEVに注意せよ。 そしてVKは開集合でμ(VK)μ(V)<なのでstep3[開集合の内部正則性]よりVK𝔐Fそしてstep2[𝔐FCpt(X)の関係]よりK𝔐Fなのでstep5[𝔐F上の完全加法性]より

μ(V)=μ(VK)+μ(K)

が成り立つ。つまり

μ(VK)=μ(V)μ(K)

である。そしてμ(V)ε2<μ(E),μ(E)<μ(K)+ε2より

μ(VK)=μ(V)μ(K)<ε2+μ(E)μ(E)+ε2<ε

なので(2)が結論される。

[(1)(2)の証明終わり]

[(2)(1)]
(2)とstep1[劣加法性]とstep2[μ(K)の有限性]から

μ(E)μ(V)μ(VK)+μ(K)<ε+μ(K)<

が成立するのでμ(E)<そして任意にε>0を与えたとき(2)の条件を充たすK,Vが存在してstep1[劣加法性]とμの単調性から

μ(E)μ(EK)+μ(K)μ(VK)+μ(K)<ε+μ(K)

が成り立つが、これは内部正則性

μ(E)=sup{μ(K)|KCpt(X)KE}

が成り立つことを示している。よってE𝔐F

[(2)(1)の証明終わり] ∎

step 7 (𝔐Fの有限加法性).

A,B𝔐FAB,AB,AB𝔐F

証明.

step6[内側と外側からの近似]を利用する。A,B𝔐Fとする。任意にε>0を与えたときにstep6より

KAU,μ(UK)<ε2
LBV,μ(VL)<ε2

となるK,LCpt(X)及びU,V𝔒が存在する。 さて AB=ABc なので

KVcABULc

となり C=KVc,O=ULcと置くと(C,O)Cpt(X)×𝔒でそして

OC=(ULc)(KVc)=(ULc)(KcV)
=(ULcKc)(UVLc)

ところで

ULcKcUKc=UK
UVLcVLc=VL

なので結局

OC(UK)(VL)

が成り立ち、そして step1[劣加法性]より

μ(OC)μ(UK)+μ(VL)<ε2+ε2=ε

が分かる。 故にstep6[内側と外側からの近似]からAB𝔐Fとなる。さらに

AB=(AB)B()

なので証明の前半とstep5[𝔐F上の完全加法性]よりAB𝔐Fがわかり、さらに

AB=A(AB)

なので証明の前半よりAB𝔐Fが分かる。 ∎

step 8 (𝔐F𝔐の関係).

𝔐F𝔐が成立する。

証明.

E𝔐Fとする。step2[𝔐FCpt(X)の関係]からCpt(X)𝔐Fなのでstep7[𝔐Fの有限加法性]よりEK𝔐Fよって𝔐の定義から E𝔐つまり𝔐F𝔐

step 9 (𝔐σ加法性).

𝔐σ加法族

証明.

A𝔐とすると任意のKCpt(X)についてAK,K𝔐Fなのでstep7[𝔐Fの有限加法性]から AcK=K(AK)𝔐Fである。KCpt(X)は任意だったので Ac𝔐つまり

A𝔐Ac𝔐

さて次に{An}n𝔐についてA=nAnを考える。任意のKCpt(X)について、各iにつき、AiK𝔐Fである。ここで{Bn}n𝔐Fを帰納的に

B1=A1K,Bn=(AnK)(B1B2Bn1)

と定義する。step7[𝔐Fの有限加法性]から確かに各nについてBn𝔐Fである。そして定義から明らかに{Bn}nは互いに素な族で

nBn=AK

が成り立ち、μの単調性からμ(AK)μ(K)<なのでstep5[𝔐F上の完全加法性]からAK𝔐Fとなる。よってKCpt(X)の任意性と𝔐の定義からA𝔐が分かり、つまり

{An}n𝔐nAn𝔐

となる。以上から𝔐σ加法族であることがわかる。 ∎

step 10 (Borel性).

𝔐Xのボレル集合を全て含む。

証明.

AXの任意の閉集合とすると任意のKCpt(X)についてAKはコンパクト集合である。よってstep2[𝔐FCpt(X)の関係]からAK𝔐Fとなり𝔐の定義からA𝔐となる。以上から𝔐Xの全ての閉集合を含んでいる。step9より𝔐σ加法族なので𝔐Xのボレル集合を全て含んでいる。 ∎

step 11 (𝔐Fの正体).

𝔐F={E𝔓(X)|E𝔐μ(E)<}

証明.

見やすくするために𝔑={E𝔓(X)|E𝔐μ(E)<}と置く。定義から明らかに𝔑𝔐となることに注意せよ。

step8[𝔐F𝔐の関係]より𝔐F𝔐で、𝔐Fの定義からE𝔐Fならばμ(E)<なので

𝔐F𝔑

が分かる。 以下逆向きの包含関係を示す。

E𝔑ならばμ(E)<であるのでμの定義からV𝔒が存在し、

EV,μ(V)<μ(E)+1

を充たす。そしてμ(E)<よりμ(V)<なのでstep3[開集合の内部正則性]よりV𝔐Fとなる。さてV𝔐Fとstep6[内側と外側からの近似]から任意にε>0を与えるとKCpt(X)が存在して

KV,μ(VK)<ε2

を充たす。そしてE𝔑𝔐なので、𝔐の定義からこのKについてEK𝔐Fなので 内部正則性からLCpt(X)が存在して

LEK,μ(EK)<μ(L)+ε2

となる。 さて、EVよりEKVKなので

E=(EK)(EKc)(EK)(VK)

となり、

μ(E)μ(EK)+μ(VK)<μ(L)+ε

が従う。 つまり

ε>0LCpt(X)μ(E)<μ(L)+ε

が成り立ち、 これはEが内部正則となることを示している。よってE𝔐Fつまり𝔑𝔐Fとなる。

以上から𝔐F=𝔑がわかる。 ∎

step 12 (測度).

μ𝔐上の測度である。

証明.
μ(Ø)=0

は定義からすぐにわかる。完全加法性については、互いに素な族{Ei}i𝔐を考えるとき、 ある番号nμ(En)=ならば明らかに

i=1μ(Ei)=

iEiEnμの単調性から

μ(E)=

なので

μ(E)==i=1μ(Ei)

となる。すべての番号でμ(Ei)<ならばstep11[𝔐Fの正体]から{Ei}𝔐Fであり、これとstep5[𝔐F上の完全加法性]より

μ(E)=i=1μ(Ei)

が成り立つので結局いづれにせよμの完全加法性は示された。 ∎

これまでのstepでX上に測度が構成された。あとはΛと両立することと、一意性を示せばよい。

step 13 (Λμの両立性).

fCc(X)Λf=Xf𝑑μが成立する。

証明.
fCc(X)ΛfXf𝑑μ

を示せば良い。なぜならfの代わりにfを当てはめれば線形性から逆向きの不等式が得られるからである。以下この不等式を示す。
fCc(X)ε>0を任意に与えK=suppf,Imf[a,b]と置く。そしてこのa,bεについて

y0<a<y1<<yn1<yn=b,iyiyi1<ε

となる点列{yi}i=0nを適当に一つ固定する。更にこの点列に対応して

Ei={xX|yi1<f(x)yi}K

と定義すると、fの連続性から{x|yi1<f(x)yi}Xのボレル集合であるから各Eiもボレル集合であり、結局Ei𝔐となる。

また、定義から明らかに{Ei}i=1nは互いに素で i=1nEi=Kであること及び

μ(K)=μ(i=1nEi)=i=1nμ(Ei)

が成り立つことに注意せよ。

そしてEiKなのでμ(Ei)<であり、μの定義から各Ei毎にVi𝔒が存在して

EiVi,μ(Vi)<μ(Ei)+εn

を充たす。fが連続関数であることから{x|f(x)<yi+ε}は開集合で、Ei{xX|f(x)<yi+ε}となるから、 必要ならVi{xX|f(x)<yi+ε}との共通部分を新たにViと名前を付け替えて、Viは更に付け加えて

EiVi,μ(Vi)<μ(Ei)+εn,xVif(x)<yi+ε

を充たすとしてもよい。さて明らかに

Ki=1nVi

なのでXが局所コンパクトハウスドルフ空間であることと定理5[局所コンパクトハウスドルフ空間上の台がコンパクトな単位の分割]から台がコンパクトな実連続関数の族{hi}i=1,2,nが存在して以下を充たす。

supphiVi
0hi1
xKi=1nhi(x)1

そしてこの性質から

Ki=1nhi(x),ihiVi

がわかり、step2[𝔐FCpt(X)の関係]から

μ(K)Λ(i=1nhi)=i=1nΛhi

がわかる。そしてsuppf=Kから簡単に

f=i=1nhif

が知れる。さらに xVif(x)<yi+εなので

hif(yi+ε)hi

がわかり、yiyi1<εからxEiyiε<f(x)なので

(yiε)χEiχEif(x)

がわかる。つまり

s:=i=1n(yiε)χEif

である。このsは単関数であり、

Xs𝑑μ=i=1n(yiε)μ(Ei)

となる。そしてsfなので積分の単調性から

Xs𝑑μXf𝑑μ

が分かり、以上を合わせて

i=1n(yiε)μ(Ei)Xf𝑑μ

となることに留意せよ。

以上分かったことをふんだんに用いて目標の不等式を示す。 まずhif(yi+ε)hiから

Λf=i=1nΛ(hif)i=1n(yi+ε)Λ(hi)=i=1n(|a|+yi+ε)Λ(hi)|a|i=1Λ(hi)

がわかる。そしてμ(K)Λ(i=1nhi)=i=1nΛhiから

i=1n(|a|+yi+ε)Λ(hi)|a|i=1Λ(hi)i=1n(|a|+yi+ε)Λ(hi)|a|μ(K)

と得る。次にhiViと開集合に対するμの定義からΛhiμ(Vi)なので|a|+yi+ε0に注意して

i=1n(|a|+yi+ε)Λ(hi)|a|μ(K)i=1n(|a|+yi+ε)μ(Vi)|a|μ(K)

を得る。Viの取り方からμ(Vi)<μ(Ei)+εnが分かり、これと|a|+yi+ε0μ(K)=i=1nμ(Ei)に注意して

i=1n(|a|+yi+ε)μ(Vi)|a|μ(K)
i=1n(|a|+yi+ε)(μ(Ei)+εn)|a|μ(K)
=|a|i=1nμ(Ei)+i=1nyiμ(Ei)+εi=1nμ(Ei)+εni=1n(|a|+yi+ε)|a|μ(K)
=i=1n(yiε)μ(Ei)+2εμ(K)+εni=1n(|a|+yi+ε)

を得る。ここまでをまとめると

Λfi=1n(yiε)μ(Ei)+2εμ(K)+εni=1n(|a|+yi+ε)

である。この不等式の右辺を更に評価しよう。yibからi=1n(|a|+yi+ε)i=1n(|a|+b+ε)=n(|a|+b+ε)である。|a|+b+ε0に注意せよ。そして留意しておいたi=1n(yiε)μ(Ei)Xf𝑑μから

i=1n(yiε)μ(Ei)+2εμ(K)+εni=1n(|a|+yi+ε)Xf𝑑μ+ε(2μ(K)+|a|+b+ε)

なので結局

ΛfXf𝑑μ+ε(2μ(K)+|a|+b+ε)

を得る。 ε>0は任意だったので結局

ΛfXf𝑑μ

が分かる。 ∎

step 14 (測度の一意性).

可測空間(X,𝔐)上で定理の条件を充たす二つの測度μ,νを与える。任意のE𝔐は外部正則なので開集合の上でμνが一致していれば𝔐上でも一致するが、任意の開集合は内部正則なので、結局Cpt(X)上でμ,νが一致していれば𝔐上一致する。以下Cpt(X)上二つの測度が一致することを示す。

KCpt(X)を任意に与える。すると外部正則性から任意にεを与えると

KV,μ(VK)=μ(V)μ(K)<ε

となるV𝔒が存在する。そしてウリゾーンの補題からKfVとなる関数fCc+(X)が存在する。このときχKfχVなので積分の単調性から

Xf𝑑μXχV𝑑μ=μ(V)

となり、Vの取り方からμ(V)<μ(K)+εなので結局

Xf𝑑μ<μ(K)+ε

を得る。 さて

Xf𝑑μ=Λf=Xf𝑑ν

なのでχKfから

ν(K)Xf𝑑ν=Λf

が分かる。 以上から

ν(K)Λf<μ(K)+ε

を得るがε>0は任意だったので

ν(K)μ(K)

を得る。ν,μの役割を入れ替えて逆向きの不等式も得られるので

KCpt(X)ν(K)=μ(K)

がわかる。よって一意性が確かめられた。

以上によりリース-マルコフ-角谷の表現定理の証明は終わった。

注意.

Cc(X)上の正値線形形式はCc+(X)上だけで完全に決定されることに注意しよう。つまりCc+(X)上の関数I:Cc+(X)

(1) fCc+(X)If0
(2) f,gCc+(X)I(f+g)=If+Ig
(3) a[0,+)fCc+(X)I(af)=aI(f)

を充たすならばICc(X)上に正値線形形式に一意的に拡張されるのである。

fCc(X)についてf+=max(f,0),f=max(f,0)としたときにf=f+fと書けるがこれを使ってI:Cc(X)

If=If+If

と拡張すればよいし、線形に拡張するにはこのやり方しかないのもすぐにわかる。

上のリース-マルコフ-角谷の表現定理を使って測度を構成する際にはCc+(X)上に

(1) fCc+(X)If0
(2) f,gCc+(X)I(f+g)=If+Ig
(3) a[0,+)fCc+(X)I(af)=aI(f)

を充たす関数が与えられさえすればよいのである。この方法は例えばハール測度を構成する際にも用いられる。

References

  • [1] W.Rudin,Real and Complex Analysis second edition,McGraw-Hill, 1974
  • [2] 梅垣壽春・大矢雅則・塚田真,測度・積分・確率,共立出版,1987