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コンパクトハウスドルフ空間と正規性と単位の分割などのLaTeXML自動変換版です。自動検査には合格していますが、元PDFとの目視比較は未実施です。正本はPDF・TeXです。

コンパクトハウスドルフ空間の正規性ほか

一色三良(concious77)
HTML変換日:2026年7月26日

この文章ではコンパクトハウスドルフ空間の正規性と局所コンパクトハウスドルフ空間の完全正則性を証明する。その後コンパクトハウスドルフ空間に対する有限開被覆に従属する1の分割の存在を証明する。実は有限開被覆に従属する1の分割の存在は空間の正規性と同値なのであるが、それはまた別の話。以下では全ての空間にハウスドルフ性が仮定されているので正規という言葉とT4という言葉、及び正則という言葉とT3という言葉を特に区別しないことにする。

命題 1.

コンパクトハウスドルフ空間は正則である。

証明.

Xをコンパクトハウスドルフ空間とし、x∉Fとなる点x∈Xと閉集合Fの任意の組を考える。Xはハウスドルフ空間なので任意のa∈Fに対して2つの開集合Oa,Paが存在して

x∈Oa,a∈Pa,Oa∩Pa=∅

とを充たす。さて明らかに

F⊂⋃a∈FPa

であり。Xのコンパクト性からその閉集合Fもコンパクトになるので有限個のa1,a2,⋯⁢anが存在して

F⊂⋃k=1nPak

となるこの右辺をPとおこう。つまり

P=⋃k=1nPak

これに対応して

O=⋂k=1nOak

とするとOは開集合でx∈Oであり、各aiについて

Oai∩Pai=∅

となりO⊂Oaiなので任意のaiについて

O∩Pai=∅

更にP=⋃k=1nPakだから

O∩P=∅

そして x∈OでF⊂PなのでXが正則であることが分かった。

∎

定理 2.

コンパクトハウスドルフ空間は正規である。

証明.

Xの互いに交わらない2つの閉集合を任意に固定してA,Bとする。先の命題よりコンパクトハウスドルフ空間Xは正則なので任意のa∈A毎に開集合Ua,Vaが存在して

a∈Ua,B⊂Va,Ua∩Va=∅

となる。さて明らかに

A⊂⋃a∈AUa

でありコンパクトハウスドルフ空間Xの閉集合Aもコンパクトなので有限個のa1,a2⁢⋯⁢anが存在して

A⊂⋃k=1nUak

となる。

U=⋃k=1nUak

と定義しよう。 これに対応して

V=⋂k=1nVak

とするとVは開集合であり、B⊂Vであり各aiで

Uai∩Vai=∅

でV⊂Vai⁢な⁢の⁢で任意のaiについて

Uai∩V=∅

これとU=⋃k=1nUakから

U∩V=∅

を得る。 そしてA⊂UとB⊂VなのでXが正規であることが示せた。 ∎

定理 3.

局所コンパクトハウスドルフ空間は完全正則である。

証明.

局所コンパクトハウスドルフ空間Xの互いに交わらない点と閉集合をx,Fとし、Xの1点コンパクト化をYとし、無限遠点を∞とする。つまりY=X∪{∞}この時G=F∪{∞}はYの閉集合でありx∉Gである。Yは正規なのでウリゾーンの補題からf⁢(x)=0,f|G=0となる連続写像 f:Y→ℝが存在する。これをXに制限すればそれも連続であり、xとFを分離する関数であるからXが完全正則であることがわかる。 ∎

定義 4 (関数の台).

写像f:X→ℝの台を集合{x∈X|f⁢(x)≠0}の閉包として定義し、これをsupp⁢fで表す。

注意.

閉包を取ってることに注意せよ。

定理 5 (被覆の縮小の存在).

コンパクトハウスドルフ空間Xの有限開被覆{Uk}k=1,2,⋯⁢n について有限開被覆{Vk}k=1,2,⋯⁢nが存在して

CL⁢(Vk)⊂Uk

を充たす。

証明.

帰納的にVkを構成する。
まずV1を構成する。F1=X∖⋃k≠1Ukと置くとこれは閉集合で{Uk}k=1,2,⋯⁢nが被覆を成すことから

F1⊂U1

となる。ここでXの正規性を用いると

F1⊂V⊂CL⁢(V)⊂U1

となる開集合Vが存在する。このようなVの一つをV1とおくと

CL⁢(V1)⊂U1

を明らかに充たし 更に{V1,U2,U3,⋯⁢Un}がXの被覆を成している。
Vkまで

CL⁢(Vk)⊂Uk

を充たし{V1,V2,⋯⁢Vk,Uk+1,Uk+2⁢⋯⁢Un}が被覆を成すようなVkが構成されたとしよう。この時

Fk+1=X∖(⋃l=1kVl∪⋃l=k+2nUl)

とする(Uk+1は和集合されてる中にはないことに注意せよ)このときFk+1は閉集合で {V1,V2,⋯⁢Vk,Uk+1,Uk+2⁢⋯⁢Un}が被覆を成してるということから

Fk+1⊂Uk+1

となる。Xの正規性を用いると

Fk+1⊂V⊂CL⁢(V)⊂Uk+1

となる。開集合Vが存在するがこれの一つをVk+1とすると

CL⁢(Vk+1)⊂Uk+1

を充たし{V1,V2,⋯⁢Vk,Vk+1,Uk+2⁢⋯⁢Un}は被覆を成す。この構成をnまで行えば求める{Vk}が得られる。 ∎

注意.

証明の中でXの正規性以外の性質を用いてないことに注意せよ。つまり、この定理は一般に正規空間でも成り立つのだが、それはまた別のお話。

定理 6 (被覆の縮小の存在2).

コンパクトハウスドルフ空間Xの有限開被覆{Uk}k=1,2,⋯⁢n について有限閉被覆{Lk}k=1,2,⋯⁢nが存在して

Lk⊂Uk

を充たす。

証明.

{Uk}k=1,2,⋯⁢nに対して定理5を用いて

CL⁢(Vk)⊂Uk

を充たす有限開被覆{Vk}k=1,2,⋯⁢nが存在する。これを用いて

Lk=CL⁢(Vk)

とすれば良い。 ∎

注意.

定理6は有限閉(closed)被覆の存在を言ってることに注意せよ。開(open)被覆ではない。

定理 7 (コンパクトハウスドルフ空間上の単位の分割).

コンパクトハウスドルフ空間Xの有限開被覆{Uk}k=1,2,⋯⁢n について実連続関数の族{fk}k=1,2,⋯⁢nが存在して以下を充たす。

supp⁢fk⊂Uk
0≤fk≤1
∑k=1nfk≡1
証明.

定理6から{Uk}k=1,2,⋯⁢nに対して

Lk⊂Uk

を充たす有限閉被覆{Lk}k=1,2,⋯⁢nが存在する。ここでウリゾーンの補題より各k毎に連続関数gk:X→[0,1]が存在して

gk|Lk=1,gk|X∖Uk=0

を充たす。つまり

supp⁢(g)⊂Uk

である。 {Lk}k=1,2,⋯⁢nが被覆であることから∑k=1ngkは常に正である。そこで

fk=gk∑k=1ngk

と置けばこれは連続で明らかに

supp⁢fk⊂Uk
0≤fk≤1
∑k=1nfk≡1

を充たす。 ∎

系 8 (局所コンパクトハウスドルフ空間のコンパクト集合上の単位の分割).

局所コンパクトハウスドルフ空間Xのコンパクト集合Kと有限個の開集合の族 {Uk}k=1,2,⋯⁢nが

K⊂⋃k=1nUk

を充たしてるとする。このとき実連続関数の族{fk}k=1,2,⋯⁢nが存在して以下を充たす。

supp⁢fk⊂Uk
0≤fk≤1
∀x∈K⁢∑k=1nfk⁢(x)≡1
証明.

Xの1点コンパクト化をYと置くこの時{U1,U2,⋯⁢Un,Y∖K}はYの被覆となっている。都合のためにUn+1=Y∖Kと置こう。{Uk}k=1,2,⋯⁢n,n+1はYの被覆を成してるので先の定理8より

supp⁢fk⊂Uk
0≤fk≤1
∀x∈K⁢∑k=1n+1fk⁢(x)≡1

を充たす実連続関数の族{fk}k=1,2,⋯⁢n,n+1が存在する。ここで

supp⁢fn+1⊂Un+1=Y∖K

より

fn+1|K≡0

よって{fk}k=1,2,⋯⁢n,n+1からfn+1を除いた{fk}k=1,2,⋯⁢nは明らかに

supp⁢fk⊂Uk
0≤fk≤1
∀x∈K⁢∑k=1nfk⁢(x)≡1

を充たす。 ∎

定義 9.

位相空間Xの部分集合Aが相対コンパクトであるとはその閉包CL⁢(A)がコンパクトである時に言う

補題 10.

局所コンパクトハウスドルフ空間Xとそのコンパクト集合Kと開集合GについてK⊂Gが充たされるならば、相対コンパクトな開集合Vが存在して

K⊂V⊂CL⁢(V)⊂G

を充たす。つまり局所コンパクトハウスドルフ空間のコンパクト集合は相対コンパクトな基本近傍系を持つということである。

証明.

Xは局所コンパクトハウスドルフなのでKも各点a∈Kについて相対コンパクトな開集合Vaが存在して

Va⊂CL⁢(Va)⊂G

を充たす。また明らかに

K⊂⋃a∈KVa

なのでKのコンパクト性から有限個のa1,a2,…,akが存在して

K⊂⋃i=1kVai

となる。

CL⁢(⋃i=1kVai)=⋃i=1kCL⁢(Vai)

なのでV=⋃i=1kVaiも相対コンパクトで

V⊂CL⁢(V)⊂G

なので定理の証明は終わる。 ∎

定理 11 (局所コンパクトハウスドルフ空間のコンパクト集合上のコンパクトサポートな単位の分割).

局所コンパクトハウスドルフ空間Xのコンパクト集合Kと有限個の開集合の族 {Uk}k=1,2,⋯⁢nが

K⊂⋃k=1nUk

を充たしてるとする。このとき実連続関数の族{fk}k=1,2,⋯⁢nが存在して以下を充たす。

各supp⁢fk⁢はコンパクト
supp⁢fk⊂Uk
0≤fk≤1
∀x∈K⁢∑k=1nfk⁢(x)≡1
証明.

Kと⋃k=1nUkに対して先の補題を用いれば相対コンパクトな開集合Vが存在して

K⊂V⊂CL⁢(V)⊂⋃k=1nUk

を充たす。

さてO⁢k=Uk∩Vと置くと、各Okは相対コンパクトであり、

K⊂⋃k=1nOk

を充たす。Kと{Ok}k=1,2,⋯⁢nに対して系8を用いると、 実連続関数の族{fk}k=1,2,⋯⁢nが存在して以下を充たす。

supp⁢fk⊂Ok
0≤fk≤1
∀x∈K⁢∑k=1nfk⁢(x)≡1

ところでOkが相対コンパクトであることから各supp⁢fkはコンパクトであり、Ok⊂Ukなので定理は示された。 ∎

References

  • [1] 森田紀一,位相空間論,岩波全書331,岩波書店,1981
  • [2] W.Rudin,Real and Complex Analysis second edition,McGraw-Hill, 1974