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位相空間の事、正規性から正則性が導かれない事。のLaTeXML自動変換版です。自動検査には合格していますが、元PDFとの目視比較は未実施です。正本はPDF・TeXです。

T1を仮定しない正規性が正則性を導出しない事を示す例

ナンブキトラ
HTML変換日:2026年7月26日

この文章では位相空間の正規性が正則性を導かないことを示す。T1を課した意味での正規生からはもちろん正則性を導けるのだが、そうでない時は正規性と正則性は独立した概念なのである。筆者が学部2年生の時の時にそのような考えようとしてその時は見つけられなかった覚えがあるが、ある時ふと思い付いたのでここに記しておく。
以下の文中では正規、正則という言葉はT1を積極的には仮定しない意味で用いてT3,T4T1を仮定した意味で使う。著者がこの言葉使いを採用した理由は定理2の見た目を良くするためであり、他の文章を読む時は定義をしかりと確認する必要がある。

定義 1.

分離公理位相空間Xについて以下の条件を定義する。
(T0)  異なる2点x,yについてxの近傍でyを含まないようなものが存在するか、もしくはyの近傍でxを含まないようなものが存在する
(T1) 異なる2点x,yについてxの近傍でyを含まないようなものが存在する。
(T2),もしくはハウスドルフ 異なる2点x,yについての近傍U,yの近傍VでUV=Ø となるものが存在する。
(正則) 互いに素なる一点xと閉集合Fについてxを含む開集合U,FVとなる開集合VUV=Ø となるものが存在する。
(正規) 互いに素な2つの閉集合が開集合で分離される
(T3)正則かつT1
(T4)正規かつT1

簡単にわかることなので注意にとどめるが、正則性と、各点の閉近傍全体がその点の基本近傍系を成すことは同値である。この事はこれから自在に用いる。また任意の空でない閉集合が交わるような空間は正規となることに注意しよう(所謂、空なる前提というやつである。)

事実 2.
T4T3T2T1T0
定理 3 (本題に関係ないおまけ).

正則かつ(T0)ならば(T1)も充たす。すなわちそのような空間はハウスドルフである。

証明.

ハウスドルフ性を示す。異なる2点x,yに対してそのいづれかの近傍が存在して他方の天を含まないが、xの近傍Uが存在してyUと仮定しても一般性を失わない。さて正則性からxの閉近傍Fが存在してxFUとなる。よって特にyFであるFが閉であることと再び正則性からFV,yW,VW=となる開集合V,Wが存在する。このV,Wx,yを分離する開集合になるのでこの空間はハウスドルフである。 ∎

さて本題に入ろう。事実2に対して次の疑問が起こる

(正規正則)?

これは一般に成り立たない事を例を以って示そう。

例 4.

シェルピンスキー空間
A={0,1}

{,{0},A}

を位相として入れた空間である。これが位相を定めることを確かめるのは容易い。
この空間の閉集合は

{,{1},A}

の3つである。この事からT1ではないことと、全ての空でない閉集合が交わるので正規となる。
また閉集合{1}を含む開集合はAしかないことから1点0と閉集合{1}を分離する開集合はないので正則ではない。ちなみにこの空間はT0を充たす。

このシェルピンスキー空間は任意の空でない閉集合が交わるような空間である。そのことから正規性を導いているが、より多くを求めて、任意の空でない閉集合が交わってはいない空間で正規かつ正則でない例をあげよう。上の例から引き続きA={1,2}とする。

例 5.

正規かつ正則ではない例:1点とシェルピンスキー空間の位相的直和
位相的直和がわからない人のために明示すると台集合は

B={1,2,3}=A{3}

開集合系は

{,{3},{1},A,{3}{1},{3}A}

である。Aがシエルピンスキー空間。{3}が1点という位相空間を務めている。位相的直和とは二つの空間を交わらないように”並べる”操作である
この空間がT1を充たさないこと、正則でないことは上と同様である。
正規であることは交わらない閉集合の対が{3}A、もしくは{3}{1}しかなく、これらは{3}Aと言う開集合で分離できるのでわかる。やはりこの空間もT0を充たす。

また上の二つの例は定理3の正則性を正規性に置き換えると結論がもはや成り立たないことも示している。